事業化状況報告とは

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事業化状況報告とは

補助事業終了後(補助金を受け取った後)、3年~5年間、(合計6回)毎年事務局にする報告のこと。

必ず決まった時期に行わなければならない義務である。

具体的には、「事業化しているか(自社の事業として売上があがっているか)」、「要件の達成状況」、「収益納付は発生しているか」などを報告することになります。

報告すること

報告の主な内容は

  • 直近期の補助事業の売上高
  • 直近期の付加価値額の伸び
  • 直近期の最低賃金の状況、給与支給総額の伸び
  • 知的財産権の状況(出願・取得・譲渡・実地権の設定)

と、なります。

収益納付とは

(収益納付及び補助金返還)
第27条 中小機構は、第25条第1項の規定に基づき提出された事業化状況・知的財産権報告書により、補助事業者が補助事業の事業化、知的財産権の譲渡又は実施権の設定及びその他補助事業の実施結果の他への供与による収益が生じたことを確認したときは、補助事業者に対し、補助金額を上限とする金額の納付を命ずることができるものとし、補助事業者は当該納付命令にしたがって納付しなければならない。ただし、当該事業化状況・知的財産権報告書の決算が赤字の場合は、納付を免除するものとする。
(事業再構築補助金 交付規定27条1項)

上記をわかりやすく言い換えますと、

補助事業者が提出した「事業化状況・知的財産権報告書」を確認し、補助事業の結果として収益が発生した場合、補助金額を上限とする金額を納付するよう命じることができます。補助事業者は、その納付命令に従って支払いを行わなければなりません。ただし、報告書の決算が赤字の場合は、この納付義務が免除されます。

わかりやすい例(引用:小規模事業者持続化補助金 コロナ特別型の時に出された資料より)

番号 具体例 補助対象
補助金を使って購入した設備で生産した商品の販売・サービスの提供による利益 機械装置等費等
補助金を使って構築した自社のネットショップ(買い物カゴ、決済機能の付加)の活用での販売や、他社の運営するインターネットショッピングモールでの販売による利益 広報費
補助金を使って実施または参加する展示販売会での販売による利益 展示会等出展費
補助金を使って開発した商品の販売による利益 開発費
販売促進のための商品PRセミナーを有料で開催する場合に、参加者から徴収する参加費収入 借料等
「買い物弱者対策事業」実施のため補助金で車両を購入し、移動販売事業等での販売・サービス提供による利益 車両購入費

補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場 合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を収益納付として納めることになります。

それを確認するための報告がこの事業化報告でもあります。

収益納付の計算式 例

基準納付額(収益納付額)=(補助事業に係る本年度収益額-控除額)×補助金確定額/本年度までの補助事業に係る支出額

収益納付の算定方法の概要(ものづくり補助金の場合)

各項目の説明

  1. 補助事業に係る本年度収益額(B)
    • 補助事業で得た収入から、収入を得るためにかかった経費を引いた額。
    • もし収益額が0またはマイナスなら、控除額(C)、支出額(D)、基準納付額(E)は記載せず、納付額(G)は0とする。
  2. 控除額(C)
    • 補助事業に要した経費のうち、自分で負担した額。
    • 翌々年度以降は、自己負担額から過去の収益の累積額を引いた額。ただし、控除額は自己負担額の範囲内。
  3. 本年度までの補助事業に係る支出額(D)
    • 補助事業にかかった総経費。
  4. 基準納付額(E)
    • 「補助事業に係る本年度収益額(B)」から「控除額(C)」を引いた額に、「補助金確定額(A)」を掛け、「本年度までの補助事業に係る支出額(D)」で割った額。
    • 計算式: E = (B – C) × A / D
  5. 前年度までの累積納付額(F)
    • 前年度までの収益に伴う納付金の合計。
  6. 本年度納付額(G)
    • 基準納付額(E)と累積納付額(F)の合計が補助金確定額(A)を超えない場合は、基準納付額(E)が本年度納付額となる。
    • 超える場合は、補助金確定額(A)から累積納付額(F)を引いた額が本年度納付額となる。

具体例(補助金確定額1000万円の場合)

ケース1:

  • 補助金確定額(A): 1000万円
  • 本年度収益額(B): 500万円
  • 控除額(C): 200万円
  • 支出額(D): 1500万円
  • 前年度までの累積納付額(F): 100万円

計算:

  • 基準納付額(E) = (500万円 – 200万円) × 1000万円 / 1500万円 = 200万円
  • 本年度納付額(G) = 基準納付額(E) = 200万円(基準納付額と累積納付額の合計が補助金確定額を超えない)

ケース2:

  • 補助金確定額(A): 1000万円
  • 本年度収益額(B): 800万円
  • 控除額(C): 400万円
  • 支出額(D): 1600万円
  • 前年度までの累積納付額(F): 700万円

計算:

  • 基準納付額(E) = (800万円 – 400万円) × 1000万円 / 1600万円 = 250万円
  • 本年度納付額(G) = A – F = 1000万円 – 700万円 = 300万円(基準納付額と累積納付額の合計が補助金確定額を超える)

事業化状況報告にあたって準備しなければならないこと。

その補助事業だけの売上や原価、人件費、減価償却費は会社全体の決算とは別でまとめておいたほうが良いです。

また、ものづくり補助金の場合は、全員の賃金台帳と、最低賃金で働く方の最低賃金が必要になります。

用意する書類一覧

事業再構築補助金

項目 詳細
① 事業化状況・知的財産権報告書
② 事業化状況等の実態把握調査票
③ 必要書類の添付
– 損益計算書 各年度の確定した書類を提出
– 貸借対照表
– 労働者名簿
– 賃金台帳(大規模賃金引上枠の補助事業者様のみ)
– 製造原価報告書
– 販売費及び一般管理費明細表(内訳)
– 追加報告用エクセル
※個人事業主の場合 青色申告決算書又は収支内訳書(白色)を提出

ものづくり補助金

項目 詳細
① 事業化状況・知的財産権等報告書
② 事業化状況等の実態把握調査票
③ 返還計算シート
④ 直近の決算書 知的財産権の報告は交付決定から報告対象年度終了時点までの決算書をいう
⑤ 報告年3月分の賃金台帳

※小規模事業者持続化補助金はシステム入力。お手元に決算書をご準備ください。

報告方法

基本的にすべて事業化状況報告システム(オンライン)での申請になります。

 

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