ものづくり補助金 15次公募の加点項目を解説します!

記事更新日:

ものづくり補助金の15次公募が始まっております。

公募の内容など14次公募と大きな変化はありませんが、採択審査において重要なのは審査項目をしっかり読み解くことと、加点項目の充足となります。

ここで、15次募集で公募要領に示されている「加点項目」を読んでゆき、解説してゆこうと思います。

前回の14次公募の加点項目と重複する部分も多くなりますが、再確認も含めまして、改めて記載してゆこうと思います。

前回の14次募集時と同じ項目もありますので、そちらの記事もご覧ください!

ものづくり補助金 14次公募の加点項目を解説!

加点項目とは

加点項目というのは、審査項目に追加して、様々な経産省の政策に関する理解や、制度の認定を受けているか。

また、審査側も「こういった事業者に採択されて欲しい」という思惑があり、その点について様々な角度から「加点」が行われます。

優先採択とも呼ばれます。もちろん、事業計画の妥当性や経費の適切な支出が見込めるかという点が第一でもありますが、加点項目の充足は採択審査上、大きなアドバンテージになります。

加点項目の一覧

まずは一覧をご覧ください。

① 成長性加点 有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者
② 政策加点 ②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
②-3:再生事業者
②-4:デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)
A.経営の方向性及びデジタル技術等の活用の方向性の決定
a.デジタル技術が社会や自社の競争環境にどのような影響を及ぼすかについて認識、その内容について公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
b.上記a.を踏まえた経営ビジョンやビジネスモデルを策定・公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
B.上記A.の経営ビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
C.上記B.の戦略を推進するための体制・組織(CIO(最高情報責任者)、CISO(最高セキュリティ責任者)の配置、担当部門の配置等)を示し、公表
※ホームページのURLと掲載場所等を記載いただきます。
D.「DX推進指標」自己診断フォーマットの定量指標における「人材欄」(688~690行目/Ver.2.3以降の場合はシート「ITシステム構築の取組状況(定量指標)」の11~13行目)を全て記載
E. 申請時点において、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」※を利用しているか。
②-5:令和4年度に健康経営優良法人に認定された事業者
➁⁻6:技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者
②-7:J-Startup、J-Startup地域版に認定された事業者
②-8:「新規輸出1万者支援プログラム」に登録した事業者(グローバル市場開拓枠のう ち、②海外市場開拓(JAPANブランド)類型のみ)
②-9:取引先の事業者がグリーンに係るパートナーシップ構築宣言をしている事業者(グリーン枠のみ)
③ 災害等加点 有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者
④ 賃上げ加点等 ④-1: 事業計画期間(補助事業完了年度の翌年度以降)における給与支給総額と事業場内最低賃金をそれぞれ以下(ア)もしくは(イ)の通りとする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者に対して加点を行ないます。
(ア) 給与支給総額 年率平均2%以上増加 あるいは 年率平均3%以上増加 事業場内最低賃金 毎年3月、地域別最低賃金より+60円以上の水準 あるいは 毎年3月、地域別最低賃金より+90円以上の水準
(イ) 給与支給総額 年率平均6%以上増加 事業場内最低賃金 毎年3月、地域別最低賃金より+30円以上の水準 かつ 毎年+45円以上ずつ増加(初回は応募時を起点とする)

④ -2:「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」

⑤ ワーク・ライフ・バランス等の推進の取り組み加点 ⑤-1: 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者、もしくは従業員100人以下の事業者で「女性の活躍推進企業データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者
⑤-2:次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者、もしくは従業員100人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者

それではできるだけ多くを解説してゆこうと思います。

経営革新計画(成長性加点)

「経営革新計画」とは、新製品や新サービスの開発、または提供方法や製造方法の改善を通じて高い付加価値を生み出し、経営の大幅な向上を目指すことです。

経営革新計画とものづくり補助金は非常に密接な関連性を持っています。具体的には、「ものづくり補助金」を活用することで「経営革新計画」を実現するというアプローチが可能です。

経営革新計画の認定は各都道府県が行います。認定を受けるためには、都道府県知事に「経営革新計画の承認申請書」を提出し、審査を経て承認を受ける必要があります。

審査にはおおよそ2~3か月の期間が必要となる場合があります。

(参考:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/index.html

パートナーシップ構築宣言を行っている事業者(政策加点)

「パートナーシップ構築宣言」は、企業が自社のサプライチェーンのパートナーや他の事業者との連携を深め、共存共栄を図ることを公に宣言する制度です。

わかりやすく言いますと、取引先間で適切な取引をしっかりやってゆこうという宣言で、無暗に下請けに元請けの優位性で価格の据え置きや単価の減額を強いたり、

リスクを一方的に中小企業が負うことの無いように下請中小企業振興法に基づく「振興基準」を遵守してゆこうという宣言を、中小企業が自ら宣言するものです。

この宣言は特に審査は有りません。

宣言を公表した企業は、自社内や取引先に宣言内容を周知し、宣言の内容に従った行動を実施することが求められます。そしてその活動を公開することで、企業の取り組みが明確に「見える化」されます。

公表までには10日ほどかかるので、この加点を取るためには締め切り前2週間前には宣言を下記のポータルサイトより行うようにしてください。

(パートナーシップ構築宣言ポータルサイト:https://www.biz-partnership.jp/index.html )

再生事業者

再生事業者とはこの補助金の場合、下記の定義です。

○ 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け(注1)、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。
(1) 再生計画等を「策定中」の者(注2)
(2) 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和2年7月29日以降)に再生計画等が成立等した者
(注1)以下に掲げる計画に関する支援を受けている者(同計画に基づき事業譲渡を受ける(又は受けた)者を含む)。
1. 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)が策定を支援した再生計画
2. 独立行政法人 中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画
3. 産業復興相談センターが策定を支援した再生計画
4. 株式会社整理回収機構 が策定を支援した再生計画
5. 「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画
6. 中小企業の事業再生等のための私的整理手続(中小企業版私的整理手続)に基づいて策定
した再生計画
7. 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた認証紛争解決事業者
(事業再生ADR事業者)が策定を支援した事業再生計画
8. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資した中小企業再生ファンドが策定を支援した再生計画
9. 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構 が同 機構法第 19条の規定による支援決定を行
った事業再生計画
10. 株式会社地域経済活性化支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構法第 25条の規定に
よる再生支援決定を行った事業再生計画
11. 特定調停法に基づく調停における調書(同法第 17条第1項の調停条項によるものを除
く。)又は同法第 20条に規定する決定において特定された再生計画

(注2)(注1)のうち、1.から7.のみが対象。
また、1.から7.における「策定中」の定義は以下のとおり。
1.から3.「再生計画策定支援(第二次対応)決定」以後
4.企業再生検討委員会による「再生計画着手承認」以後
5. 同ガイドラインに基づく「一時停止の要請」以後
6.同手続きに基づく「一時停止の要請」以後
7.事業再生 ADR 制度の「制度利用申請正式受理」以後

健康優良法人

健康経営優良法人とは、文字通り、従業員の健康などそういったことに積極的に「健康投資」をし、「健康経営」を行っている事業者を検証する制度です。

わかりやすくChatGTPに箇条書きでまとめてもらいました。

  • 「健康経営優良法人」認定制度は、従業員の健康を重視し、その健康状態の改善や維持に向けた取り組みを積極的に行っている企業を顕彰する制度です。
  • この制度は、従業員の健康管理を経営の一部として考え、その実施に戦略的に取り組んでいる企業を「見える化」することを目指しています。
  • 大規模企業と中小規模企業の2つの部門があり、それぞれが「健康経営優良法人」として認定されます。
  • 認定された企業は、「健康経営優良法人」のロゴマークを使用することができます。これにより、社会的な評価や信頼を得られます。
  • さらに、自治体や金融機関などから、健康経営に取り組む企業に対してさまざまなインセンティブが提供されることもあります。

このように、「健康経営優良法人」認定制度は、健康経営の推進とその評価向上を目指したものであり、企業の持続的な成長と従業員の健康の両立を促進する役割を果たしています。

と、いうことで、認定されるには申請を行う必要があります。

今から7月末のものづくり補助金の申請に間に合うかというと難しいかとも思いますが、是非、下記のサイトをご覧になっていただければと思います。

(参考:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

 

技術情報管理認証制度の認証

これは新しい加点項目です。

企業の情報セキュリティ対策を、国の認定を受けた機関が国が策定した基準に基づいて審査・認証する制度です。

これに認定されるためには国が認めた認証機関に申し込みを行います。

こちらは新しい制度であるため、また別記事でまとめて行こうと思いますが、取り急ぎ、この制度のリンクを貼っておきます。

(参考:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/technology_management/page01.html#howto

有効な期間の事業継続力強化計画の認定(災害等加点)

この事業継続力強化計画については似たような名前でBCP(事業継続計画)がありますが、

BCPを実践するために災害や感染症などに絞って、「人員・設備・情報」など想定される被災に対しあらかじめ平時からの取組などを想定し、備えて行く「中小企業版BCP」といったような制度です。

本ページでも何度かお話しさせていただいている「おなじみの」制度です。

事業継続力強化計画の申請

認定までには、おおよそ30~45日程度かかると思って差し支えないと思います。

 

加点項目、どれを優先するべき?

以上が加点項目となりますが、申請枠に応じた加点もありつつ、通常枠でも適用となる加点項目もあり、なかなか難しいなと思われるかもしれません。

また、全部が全部、取れるかどうかは無理があると思うので、ある程度優先順位をつけて検討されると良いと思います。

優先順位を個人的見解でつけさせていただくとすると、

最優先:各申請枠独自の加点項目

まずデジタル枠なら、2-④の項目、グリーン枠なら2ー⑧といったようにまずは申請枠独自の加点項目の確認をお願いいたします。

申請要件に非常に近いこともあり、この辺の取得を取りこぼさないことも大事だと思います。

優先1:経営革新計画

全事業者に優先して承認申請をご検討いただきたいです。

経営革新計画はいわゆる「課題解決の羅針盤」でもあり、自社の「強みを活かして機会を捉える」という経営計画の文章化にもなります。

加点と言っておいてちょっと申し訳ないのですが、仮にものづくり補助金が不採択だったとしても、経営革新計画独自のメリットを活用する事で、事業をあきらめることもなく進めることも可能だと思います。

まずはこの経営革新計画の承認を目指してゆく事をお勧めいたします。

優先2:事業継続力強化計画

これは、他の加点項目に比べ、どの事業者にも密接に関連する事項ですし、認定難易度も他の項目に比べれば低めです。

取りこぼしのないように、むしろこの承認はマストで、足下を固めるという意味でも検討してみてください。

優先3:賃上げ加点、パートナーシップ構築宣言

この2つは、同率です。

ただ、賃上げ加点は無理して狙う必要はまったくありません。仮にある程度小規模な事業者さんで一人雇用するだけで総給与支給額が2とか3%上昇する!といったような場合に加点をご検討ください。

パートナーシップ構築宣言は、近い将来、マストになる事柄であると思います。上記の通り、しっかりと理解して、宣言を行ってください。

せっかく当てはまっているのでチェックしなければもったいない項目

創業間もない事業者加点

添付書類が少し加わる程度ですので、これは忘れずにチェックボタンにチェックを入れて申請しましょう。

加点項目の申請サポートについて(当事務所のサポート)

ものづくり補助金の申請準備を進めているが、加点項目までなかなか手が回らない・・!

ものづくり補助金の申請を考えているが、うまくまとまらない。経営革新計画からやってゆきたい!

こんなおなやみがございましたらお気軽にご相談ください!

経営革新計画の承認申請では、事業者さんの想いを都道府県または支援機関との橋渡しも含め、サポートいたします!

事業継続力強化計画では「血の通った」計画をともにサポートしてゆきます!

その他の項目もおまかせください!

補助金に関するお問い合わせ
  • 電話・Zoomでの30分無料相談を受付中です!
お電話でのお問い合わせ

「補助金のホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日10:00-17:00(土日祝休み)
メールでのお問い合わせ

    ページトップへ戻る