交付申請
補助金交付候補者決定を受けた事業者が、補助事業の内容や経費を見積書や相見積書とともに提出・申請し、「交付決定」を得るための手続き。
※この項では主に、「事業再構築補助金」、「ものづくり補助金」の交付申請について解説する。
交付申請手続きの流れ
採択発表(補助金交付候補者の採択発表)後、採択者が行う。
1、 書類を揃える
下記の書類を揃える。(例:ものづくり補助金)
書類名 | 様式 | 備考 | ||
必須 | 1 | 申請内容ファイル | Excel | ・ 電子申請システムにアクセスして申請内容ファイル(Excel)のダウンロードで取得する ・必要があれば修正する |
2 | 履歴事項全部証明書写 | 【法人】変更があれば(交付申請日より過去3ヶ月以内に発行されたもの) | ||
直近の確定申告書(第1表)写 | 【個人】変更があれば | |||
必須 | 3 | 見積書 | ・ 複数の項目が含まれる場合はその内訳が分かるもの ・ 外国語表記には和訳をつける ・ 外貨建ての場合は円建て表記と換算レート表を添付 |
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相見積書 | 単価50万円以上のものすべて(中古品は3社以上) |
※2と3はzipファイルにまとめる
※システム構築費の場合は仕様書又は要件定義書の添付を求められる。
2、電子申請システム(Jグランツ)にGビズIDでログイン、申請フォームに必要事項を記入し、上記ファイルを添付し、申請する。
3、事務局の審査の結果、書類の不備や間違い等があれば「差戻」される。差戻がなければ「交付決定通知」が届く。
4、差戻対応を行い、2の手続きを再度行う。
2~4の手続きを繰り返し、「交付決定通知」が届く。または「採択取り消し」「採択辞退」の手続きを取ることになることもある。
交付決定までどれくらいの期間がかかるのか
ものづくり補助金の場合、経費内容が多岐にわたったり、経費の妥当性がおかしいなどの明らかな問題がない限り、1か月、差戻があっても2か月程度で申請から「交付決定」通知が届きます。
ただし、「事業再構築補助金」の場合は別で、「交付申請」に非常に時間がかかります。
その理由として、事業再構築補助金では通常の書類不備、経費の妥当性だけではなく、「法令上の制限」(例えばその行う事業が許認可が必要なものであったり、そもそも法令で禁止されている行為だったりを確認)の審査、また、経費内容の詳細な確認(減価償却費として計上できる経費が含まれているか、見積書の仕様に問題がないかなど商習慣よりも補助金の交付様式を優先する)を行うため、一回の申請から差戻まで1か月以上かかることもあり、そのたびに差戻対応を迫られるため、採択発表から3か月以上の期間が経過することもあります。
交付申請を期限までにしなかった場合や、交付決定通知が出る前に事業をスタートしてしまった場合のペナルティ
交付申請を行い、「交付決定通知」が届いてから発注や支払いなどの経費支出が認められます。
では、交付申請を失念してしまったり、あるいは事業再構築補助金などで交付申請が差戻対応の連続で時間がかかり、発注予定先から急かされて契約してしまった場合、どんな事になってしまうのでしょうか。
- 採択取消になってしまう場合がある。⇒期限内に交付申請を行わない場合、採択が取り消されてしまうことがあります。
- 交付取消になってしまう場合がある。⇒交付申請が完了する前に契約してしまった場合、不適切な経費の支出などの理由で交付の一部または全部の取消がされることもある。
- 採択辞退を求められる場合もある。 ⇒ あまりありませんが、交付審査の結果、法令上の制限などで実現が不可能な経費や事業が含まれていた場合、やむを得ず、採択の辞退を進められる場合もあります。
参考:見積を依頼するときの注意点
補助事業の見積書を依頼するときに、業者さんに下記のようにお願いしておくとっていうことを記載しておきます。
- 数量に「一式」など、「式」という単位は使わない。「〇人工×〇日」や単価×数量で細かく明記してください。
- 内訳はできるだけ細かく記載してください。
- 「諸経費」という不透明な経費を計上しない、または明確な経費として計上してください。
- 相見積と本見積の内容はできるだけ一言一句、数字以外は同じにしてください。
関連項目
- 交付決定
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
- 差戻
- 交付決定候補者
- 見積、相見積、見積依頼書
- 事前着手