ものづくり補助金 申請書作成に当たってのポイント3をお話します

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ものづくり補助金もついに16次募集がはじまりました。

ものづくり補助金ですが、実は老舗の補助金で古くは平成24年度補正、つまり平成25年から行われている、まさに「元祖補助金」というわけです。

平成25年に出されたものづくり補助金の前身である「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業」を実施するにあたり、事務局が公募されたときの公募要領1ページ目。現在と違い、中小企業庁に人の心を感じる。

ものづくり補助金(当時は『ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援事業』)平成24年度補正予算での事務局公募要領

 

文字通り、「ものづくり」というわけで、設備投資を通じてイノベーション(革新)を起こさせるための力を後押ししてきた事業なんですね。

こうして今昔物語を語るほど、当時の様子を知っているわけではありませんが、少なくとも今よりは「達成度の考え方」は「数値による成果目標」だったわけです。

しかし、時代と共に、この補助金はサービス業の生産性向上にも役立つように進化し、多くの事業者にとってアクセス可能な支援策となりました。その目的も、例えば賃金上昇やグリーンイノベーションなど、より広範で多様化してきています。

それでも、申請の際には、補助金の基本的な目的を理解し、適切に「事業計画」を作成・記載することが重要です。

今回はそんな意味合いも踏まえて、「ものづくり補助金 申請のポイント3点」をお話ししようと思います。

申請のポイントその1 軸となる「コンセプト」はぶれないように

これは事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金でも言えることなのですが、「事業計画書」には少なくともその事業の軸となる「コンセプト」がわかる形で記載されている必要があります。

つまり、「結局、あなたは何をしたくて補助事業に応募するの?」という事が全体を通じてよく読み手(ここでは「審査員」)に伝わる必要があります。

何をいまさら・・そんなこと書くにきまってるじゃないか~

と、思われるのは当然であろうと思いますが、補助金の申請書の場合、書くことや審査ポイントを踏まえた書き方が必要で、そんなことを考えているうちに、話が拡大・飛躍しがちになってしまうことが往々にしてあります。

ちょっと具体的にイメージしにくいかと思いますので、他の事例で例えますと、

みんなで週末に何かしようと計画を立てるために集まりました。でも、最初に「何をするのか」を決めずに、話を始めてしまいました。

一人は海に行きたいと言い、もう一人は山に行きたいと言います。それから、誰かが宇宙に行きたいと冗談で言い始めると、みんなで宇宙飛行士になることについて夢を語り始めました。

最終的に、みんなは宇宙に行くことや、未来の宇宙飛行士になることについて話し合い、週末の計画は全く決まらないまま時間が経ってしまいました。

この話から、最初に「何をするのか」をはっきりと決めないと、話がどんどん飛躍してしまい、現実離れした夢を語り始めてしまうことがあるんだ、ということです。

なので、そもそも「何をするか」の基本となる、コンセプトを決めておく必要があります。

では、コンセプトを決めるというのはそもそも何か。ということですが、結局、「なんのために何をするか」という行動についてのお話が一貫している必要があります。

イマサラ・・と思うかもしれませんが、実はこれを軽視するあまりに「何をするか」という話しが飛躍してしまい、「なんのために」「どうやって」が見えなくなってしまい、

ものづくり補助金の不採択でありがちな「この設備があればすべて解決!売り上げ増も効率化も全部この1台におまかせ!」といった設備のPR文章のような申請書が出来上がってしまいます。

まずは「何のために」「どのようにして」「何をする」この基本的な1本の筋はしっかりと決めておくのが良いでしょう。

参考に、この「中小サービス事業者の生産性向上のガイドライン」から画像を抜き出してみました。こんなイメージです。

申請のポイントその2 強みは一番芯を喰っているものを見出す

補助金を申請する際に、公募要領を見たり、あるいはサポートする人に不躾にこんなことを聞かれて悩んだことはありませんか?

「貴社の強みを教えてください」

一概に強みを一言で言い表すのは意外と難しかったりします。しかも、ざっくり「強み」と言われても定義が曖昧です。「他社に比べて」の自社の強みなのか、「お客さんに見せている」強みなのか、「企業秘密」のように秘めたる強みなのか。いきなり言われても一言では言えません。

このものづくり補助金の申請の基本的な話の流れは「顧客ニーズや市場ニーズを鑑みて、新たな生産方式やサービスを展開する必要があるが、実現するためには課題がいくつかある。その課題を克服するために、自社の強みを活かし新しい設備を導入し、最大限の効果を見込んでゆく」というのが基本線です。

これで、なんとなく「強み」を聞かれる理由はわかったかと思います。

そしてこの「強み」を見出し、言語化するにはどうすればよいか。ですが、会社に多々ある強みのうち、「実現したい目標によく効くであろう強み」を見出すことが大切です。

つまり、実現したい目標が「競争力をあげて同業他社より多くの製品を売りたい」であれば「他社に比べてクレームが少ない(高品質)」「低価格を実現できる独自工法がある(低単価)」などといったような部分をフューチャー。

「固定客より多くの発注をいただけるようになり、どんどん生産力を品質を維持したままあげてゆきたい」であれば、「納期に遅れない確かな実績」「原材料の独自調達ルート」などといったように、会社に数ある強みから該当の部分だけを見出すようにしましょう。

そして、そこから「新しい機械を導入し、生産量が飛躍的に伸びても、これまでの管理体制やノウハウを用いバージョンアップすることで、品質を維持したまま生産量を増やすことが出来る」とつながるわけですね。

強みを記載する欄に、逆に関係ない強みを書かないようにはしたいところです。「私は行政書士です。強みは美味しいカレーが作れることです。今回の事業は業務の効率化です」

このような無関係な強みは、審査員に混乱をもたらす可能性があります。

強みを見極めるための3つのステップ:1.目標の明確化、2.関連する強みの特定、3.無関係な強みの排除 ですよ!

申請のポイントその3 書き始めのおすすめポイント

最後に、ものづくり補助金での申請書のお約束事として、下記のようなものがあります。

応募する事業分野が「新商品の開発又は生産」「新商品の開発又は生産」については「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」。

「新役務の開発又は提供」「役務の新たな提供の方式の導入」であれば「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」との関連性を説明しろと言ってます。

事業計画書を書き出して、最後にまとめとして指針と照らし合わせ、関連する部分を記載しても良いですが、もし書き始めた最初がちょっと未定なことがあったり、ぶれちゃいそうだな~と思ったら、まず、この指針を一読して、それにそって芯を作り、そこから記載し始めて、あとから肉付けする書き方をお勧めします。

ポイント1でも2でも言いましたが、やはり事業計画があっちいったりこっちいったりあるいは空高く舞い上がってしまうような申請書になってしまうのはコンセプトだったり芯が通っていないまま、誤解と怒りを恐れずにいうと、「ただ漠然と設備ほしいから補助金ほしいなぁ~」のテンションのまま書き出してしまうと、不採択となるような事業計画書が完成してしまうのです。

もし、上記のテンションのまま時間的にも余裕ないから書き出す!といった時には、まずは上記の指針やガイドラインを読み、それを表に書き起こし、その横に今回の事業を当てはめてゆきましょう~

そうすれば、自然と話のあらすじが固まってきます。

まとめ

今回は、簡単にものづくり補助金の申請書作成ポイントの3つをお話ししました。

最初にお話しした通り、この補助金は元祖補助金という感じでもあり、如何にストーリーが課題解決につながるか、矛盾がないか、実現可能かを示している必要があります。

審査員もかなり目が肥えておりますし、事業再構築補助金のような審査のおおらかさはないとみて差し支えはないと思います。

こういったお悩みは氷山の一角です。

ものづくり補助金の申請に関しては、認定支援機関 行政書士 キタゴウ行政書士事務所にお気軽にご相談ください!

 

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