交付候補者決定
用法としては「交付候補者決定発表」、いわゆる「採択発表」を都合よく言い換えた言葉である。
「補助金交付候補者を採択しました。」というお知らせで発表される。
交付候補者決定は、たいてい、申請締め切りから1~3か月後の17:00(ものづくり補助金)、18:00(事業再構築補助金)にホームページで発表がある。
また、IT導入補助金や事業承継・引継ぎ補助金、小規模事業者持続化補助金は採択結果=交付決定であるため、この「交付候補者」という言葉は使われず、「補助事業者を採択した」という言葉で発表が行われることが多い。
なぜ、この言葉に言い換えられたのか
ものづくり補助金総合ページには下記の文言と共に、その理由が述べられています。
15次公募要領以降、「採択」・「採択決定」の用語の前に「補助金交付候補」との用語を挿入しております(5月24日更新版から)。「採択決定」という用語は、事業者様に対して「補助金が申請とおり満額交付されることが決定した」との誤った認識を与えかねないこと、実際にその後トラブルに発展するケースが発生していること等を考慮しての対応です。
すでに「事業再構築補助金」公募要領では同じ内容での用語説明を実施済みであり、当補助金でもこの変更に準じた措置を講じることとしております。
(引用:ものづくり補助金 ホームページより)
補助金には下記のような手順があります。
<申請>⇒<書類審査・口頭審査>⇒<採択発表>⇒<交付申請>⇒<交付決定>⇒<中間検査>⇒<実績報告>⇒<確定検査>⇒<請求>⇒<補助金交付>
この採択発表をもって、補助金が全額支払われることが決まったわけではなく、このものづくり補助金や事業再構築補助金では、経費の妥当性などを審査するために見積書や相見積書などの書類と交付申請を行い、それを審査することではじめて「補助事業を始めて良いよ」という「交付決定」が出るわけです。
つまり、「採択発表」とは単に「書類審査に通過したよ」というお知らせに過ぎません。これから「交付申請」をしっかり行った上で、初めて「補助金が交付される事業者」になります。このため、「補助金交付候補者」と言い換えているのです。
事業再構築補助金では「交付申請」が非常に長期わたることがある
事業再構築補助金では、「交付申請」が非常に長期にわたることがあります。採択発表後の交付申請は非常に細かく、実際に交付に至らないケースも散見されるため、事業者は注意が必要です。このため、採択された後も慎重に準備と手続きを進めることが重要です。だからこそ、事業者と事務局とのトラブルを避けるために、「補助金採択者」ではなく「交付候補者」と言い換えたという事情もあります。
実際に、事務局と電話で言い合いになったなどめちゃくちゃな事をつぶやく誰かもいましたしね。余談ですが。
関連項目
- 交付申請
- 交付決定
- 審査