申請する2つのメリット
「先端設備等導入計画」は、生産性向上特別措置法で規定されています。
新型コロナ前の中小企業の業状は回復傾向にありましたが、設備の老朽化が原因で労働生産性は向上していないことが指摘されています。
先端設備等導入計画では設備更新を促すことが制度の趣旨となっており、さまざまなメリットがあります。
今回は、先端設備等導入計画の2つのメリットについて解説していきます。
先端設備等導入計画の2つのメリット
先端設備等導入計画のメリットは、大きくわけて2つあります。
- 固定資産税の軽減措置
- 金融支援
ここからは、先端設備等導入計画の2つのメリットについて詳しく解説していきます。
1.固定資産税の軽減措置
先端設備等導入計画の税制支援を受けるためには、認定された計画に基づいて設備を新たに取得しますが、新たに導入した設備の固定資産税の課税標準が3年間、4年間又は5年間、地方税法に基づき、令和5年4月1日 ~ 令和7年3月31日までの期間(2年間)、課税標準を3年間、1/2に軽減。さらに、賃上げ方針を従業員に表明した場合は、最長5年間、1/3に軽減されることになります。
また、先端設備等導入計画の税制支援というメリットを受けられるのは、以下の3つのいずれかに該当する中小企業事業者等です。
- 資本金もしくは出資金が1億円以下の法人
- 従業員1,000人以下の個人事業主のうち、先端設備等導入計画の認定を受けた者(大企業の子会社等を除く)
新たに導入する設備は何でもいいわけではなく、軽減措置の対象となる先端設備等の種類や、最低取得価格が決まっています。
「先端設備」とは、労働生産性の向上を目的として生産や販売活動に直接使用される設備で、以下の要件を満たすものを指します。
- 投資利益率:年平均5%以上の投資利益率が見込まれること。
- 投資計画の確認:認定経営革新等支援機関によって確認された投資計画に記載されている、投資の目的達成に必要不可欠な設備であること。
対象となる設備は以下の通りで、指定された最低価額以上であることが必要です。
対象の先端設備等 | 最低価格
(1台1基又は一の取得価額) |
その他 |
1.機械装置 | 160万円以上 | |
2.測定工具及び検査工具 | 30万円以上 | |
3.器具備品 | 30万円以上 | |
4.建物付属設備 | 60万円以上 | 家屋と一体で課税されるものは対象外 |
※償却資産として課税されるものに限る
なお、市区町村が策定する「導入促進基本計画」により、対象設備が異なる場合があります。また、税制適用を受けるまでの詳細な手順については、関連資料を参照してください。
2.金融支援
通常枠 | 別枠 | |
普通保険 | 2億円(組合4億円 | |
無担保保険 | 8,000万円 | |
特別小口保険 | 2,000万円 |
先端設備等導入措置の2つ目のメリットは、金融支援です。
先端設備等導入計画が認定された事業者に対して、資金調達に必要な債務保証に関する支援を上記のように受けることができます。
民間金融機関から融資を受ける場合、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険などは別枠での追加保証を受けることが可能です。
また、先端設備等導入計画のメリットにはさまざまな情報が入り乱れていますが、ものづくり補助金などでの加点措置は現在行われていません。
先端設備等導入計画のメリットは、最も大きなもので「固定資産税の軽減」。
その次に「金融支援」の2つのメリットとなっています。
先端設備等導入計画の申請に必要な書類と申請場所・設備取得日とは?
固定資産税の軽減や、金融支援という2つのメリットがある「先端設備等導入計画」のメリットを得るためには、申請書をはじめとする各書類を提出して認定を受ける必要があります。
そこで今回は、先端設備等導入計画の申請に必要な書類と、どこに申請すればいいのか、設備取得日とはいつなのかについて詳しく解説していきます。
先端設備等導入計画申請に必要な書類と申請方法
先端設備等導入計画の申請に必要な書類は、少なくとも7つ。この書類に加えて、各市区町村が提出を求める書類をあわせて提出する必要があります。
ここからは何の書類が必要なのか、その書類のひな形はどこでダウンロードできて、どのような書類なのか。
さらにどこに申請すれば良いのか、認定後の設備取得日とはいつのことなのかについて解説していきます。
先端設備導入計画申請に必要な書類
必要書類 | 詳細 |
1. 先端設備等導入計画に係わる認定申請書 | 中小企業庁ホームページの下部にあるWordファイルをダウンロードして記載する |
2. 認定経営革新等支援機関による事前確認書 | 中小企業庁ホームページ掲載の、国から認定された金融機関などが発行する書類 |
3. その他、市区町村が必要と認める書類 | 設備を取得する(申請書を提出する)市区町村のホームページを参考にする |
4. 認定経営革新等支援機関が発行する投資計画に関する確認書 | 税制措置の対象となる設備を含む場合 |
5. 従業員へ賃上げ方針を表明したことを証する書面 | 賃上げ方針を表明する(固定資産税の1/3軽減を受けたい)場合 |
6. リース契約見積書(写し) | 固定資産税の軽減措置を受ける際に、ファイナンスリース取引であり、リース会社が固定資産税を納付する場合に必要な書類 |
7. リース事業協会が確認した軽減計画書(写し) | |
8. 返信用封筒 | A4サイズの認定書を折り曲げずに返送できる封筒で、返送先の宛て先を記載し、切手を貼っておく |
【参照】先端設備等導入計画策定の手引き|中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/seisansei/01_gaiyou/1-1_02_tebiki.pdf
先端設備等導入計画の申請に必要な書類は、少なくとも上記7つの書類と、各市区町村が提出を求める書類が必要です。
各市区町村が提出を求める書類とは、例えばキタゴウ行政書士事務所の事務所がある静岡県三島市で先端設備等導入計画を申請する場合は、市税収納課で市税滞納がない証明を受けた証明書が別途必要です。
【参照】先端設備を導入すると固定資産税の優遇等が受けられます|三島市 https://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn036200.html
先端設備等導入計画の申請を行うのは、導入する設備を所有する市区町村なので、その市区町村のホームページを事前に確認しておくようにしましょう。
先端設備等導入計画の申請方法と設備取得日
前述したように、先端設備等導入計画の申請は、導入する設備を有する市区町村に申請を行います。
通常申請から認定を受けるまで1か月程度の時間がかかると言われており、設備を取得する前に申請を行う必要があります。
先端設備等導入計画の認定後に設備を取得することが必須ですが、この設備取得とは所有権を得た、あるいは移転したタイミングです。
例えば、建物の設備を取得した場合は引き渡し日。機械装置を取得した場合は、検収日が設備取得日となります。
キタゴウ行政書士事務所の事業継続力強化計画 申請サポート
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申請までの流れ
- お問合せ(メールまたはお電話にてお問合せください)
- 予診 (30分無料:導入予定設備、工業会の証明書の有無等をお伺いし、お見積り、ご契約までの流れをご説明します)
- ご契約
- ヒアリング(2~4時間程度のヒアリングおよび随時メールまたはお電話等で詳細をお伺いいたします。認定支援機関確認書も含むサポートの際はより多くのお時間をいただく場合もあります)
- 申請サポート(各市町村への申請となります)
- 30日~60日程度で認定が下ります。
対応地域
全国対応
サポート料金
先端設備等導入計画 申請サポート | 80,000円(税別) |
---|---|
先端設備等導入計画 認定支援機関としてのトータルサポート | 100,000円(税別) |
認定後のお支払い(成功報酬)