事業再構築補助金 第12回 採択発表(11月8日)と交付申請についての簡単な注意点

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2024年11月8日、例によって18:00に事業再構築補助金 第12回の採択発表がありました。

第11回の採択発表が2月ですので、実に10か月弱ぶりになりますね。

事業再構築補助金

第12回採択発表の概要

全体で 7,664件の応募 があり、そのうち 2,031件が採択 され、全体の採択率は 26.50% でした。以下は事業類型別の応募件数、採択件数、および採択率の詳細です。

事業再構築補助金第12回採択者数・採択率

第11回の採択内容と比べると、「成長分野進出枠」の通常類型は11回の時の後継措置として応募が多く、採択率は22.16%で、第11回の「成長枠」(採択率27.83%)よりやや低くなっています。これは、成長分野に対する支援の拡充と同時に、厳格な審査基準が求められていることになります。

一方で申請要件が変化したので一概に単純に比較はできないのですが、最低賃金「枠・類型」は、前回の採択率が「25.4」だったのに対し、今回は34.11と9ポイント弱の増加となっています。

賃上げを重点政策目標にしていました(これからも最低賃金を1500円にするとかしないとか)ので、そういった政策目標が反映されている可能性がありますね。

両回とも全体の採択率は約26.5%前後であり、全体としての補助金支援における予算消化や審査基準の安定性が見られます。

全体的に安定した採択率となっていますが、枠ごとに高い採択率と低い採択率の差が顕著になっていることがわかります。

「事業再構築補助金第12回公募の結果について」の資料から、箇条書きで抜粋

詳しい採択結果の概要については下記の資料をダウンロードください。(事務局ホームページより)

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou12.pdf

内容を簡単に抜粋しますと、

業種別の応募・採択状況

  • 応募件数の多い業種:製造業(27.0%)、卸売業・小売業(15.2%)、建設業(13.7%)
  • 採択件数の多い業種:製造業(43.6%)、卸売業・小売業(13.3%)、建設業(12.8%)

製造業の応募が多く、採択数・採択率も高めです。事業再構築補助金の支援を活用したいと考える製造業者が多いことがうかがえます。採択割合も高く、製造業者にとって事業再構築が急務であること、特に競争力向上や産業の足下を支える収益モデルの再構築を図る取り組みが重視されていると考えられます。やはり製造業がコロナ禍や物価上昇などの影響で事業モデルの再構築を急いでいる背景があると考えられます。

地域別の応募・採択状況

  • 応募・採択数が多い地域:東京都、大阪府、愛知県が応募・採択件数ともに多い。(採択率は別として。あくまで資料の情報のみを抜粋)

地域別では、都市圏が応募・採択数で優位ですが、地方企業に対する支援の格差是正が課題であり、情報提供や支援体制の整備が今後の焦点となりそうです。あんまり再構築について過度な期待はできませんけどね・・

補助金申請額の分布

  • 最も多い申請額帯:1,500~2,000万円未満
  • 全体の約70%が3,000万円未満の申請額である(応募者77.6%、採択者71.0%)

認定経営革新等支援機関からの支援状況

  • 応募者の約47.7%が認定経営革新等支援機関(例:地銀)から支援を受けており、地銀支援を受けた事業者の採択率は34.2%と比較的高い。

採択の後からが本番

採択発表があり、ほっと一息、狭き門を通過して喜びもひとしおですが、すぐにこの補助事業最大の難所である、「交付申請」の手続きを進めてゆかなければなりません。

まずは「補助金交付候補者向けオンライン説明会」に参加する必要があります。補助金交付候補者として採択された事業者は、事務局が実施する説明会への参加が必須です。説明会に参加しない場合、最終開催日をもって自動的に採択が無効となるため、注意が必要です。

第12回公募 補助金交付候補者向けオンライン説明会

交付申請(第12回公募)についてはコチラから

交付申請手続きについて

補助金の採択が決まったあと、いよいよ交付申請の手続きに進みます。採択までの道のりを振り返り、ひとまず安堵されている方も多いかと思いますが、ここからが本番です。交付申請は一度で完了するものではなく、さまざまな書類や事務局への確認が必要で、手続きには細かい対応が求められます。さらに、準備から交付決定までには、思った以上に長い期間がかかるため、適切に対応していくことが大切です。

手続きのステップごとに異なる要件や提出期限が設けられており、それに合わせた対応が求められるため、手続きの進行に不安を覚える方もいらっしゃるかもしれません。とはいえ、この段階を乗り越えることで、事業計画の実現に向けた道が開かれ、補助金を活用した本格的な事業再構築がスタートします。

無事に手続きを進めるためにも、交付申請については慎重かつ丁寧に取り組むことが重要です。

交付申請に関するアドバイス

補助金交付の申請には多くのステップがあり、細かい要件が設定されています。申請の準備段階から以下の点に注意して進めてください。

  1. 必要書類の準備と確認
    まず、電子申請システムから経費明細表をダウンロードし、他の提出書類と併せて申請に必要な書類をすべて準備してください。不備があると審査に時間がかかるため、事前の確認が重要です。
  2. 事業計画の変更は原則不可
    交付申請時に、事業計画の主旨や成果目標などを変更することは認められません。ただし、経費項目に変更が必要な場合は事前に事務局へ相談し、必要な確認をとってください。
  3. 事業情報や申請内容の更新がある場合
    代表者や事業所所在地など、事業情報に変更がある場合は、GビズIDでの変更手続きが必要な場合があります。交付決定後の変更についても「GビズID引継ぎ依頼書」などの提出が求められることがあるため、変更があった場合は早めに手続きを進めましょう。
  4. 連携体での申請の場合の留意点
    連携体として複数の事業者が申請する場合、全事業者が交付要件を満たしているかを確認する必要があります。経費明細表は、代表事業者から連携先へ送付される形式となるため、情報の共有も確実に行いましょう。
  5. 見積書の取得と経費の計上
    見積書の取得時は、詳細な要件や仕様が明記された依頼書を基に入手し、補助対象外の物品が含まれていないか注意してください。見積書は補助対象事業者名宛で作成されている必要があり、提出時に明記漏れがないか確認しましょう。
  6. 補助事業実施場所や従業員数の変更
    事業実施場所や従業員数が変更となる場合、補助金の上限額に影響を与えることがあります。特に、従業員数が減少した場合には補助金額が減額されるため、最新の情報を正確に報告するようにしてください。

交付申請は本っ~当に長期にわたるため、上記のポイントを押さえつつ慎重に進めてください。

交付申請時の提出書類と注意点

書類 概要 注意点
経費明細表 経費の内訳を示す書類。電子申請システムからダウンロード 全ての経費を正確に記載し、不備がないか確認する
見積依頼書・見積書 契約(発注)先の選定にあたって、同一仕様での相見積書が必要 50万円以上の契約は3者以上の見積が必要。見積書には税抜・税込価格を両方記載
業者選定理由書 最低価格の見積を選定しない場合に必要 理由書とともに価格妥当性の書類も添付
建物費、機械装置・システム構築費、広告宣伝・販売促進費の追加書類 建物費:設計図書・配置図など
機械装置:パンフレットや仕様書
広告宣伝費:50万円以上の契約は3者以上の見積
見積が取れない場合は価格妥当性の確認書類が必要
取得財産に係る誓約書 資産として取得する財産の使用目的や管理を示す誓約書 交付決定後も一貫して財産の管理が必要
補助対象経費についての理由書 資産性のない経費が中心の場合など、特別な事由がある場合に提出 補助対象経費の適正性を説明し、補助の趣旨に沿う事業であることを明確にする

該当申請者のみ提出が必要な書類

書類 概要 注意点
建物に係る宣誓書 新築以外の建物費を計上する場合に必要 新築である場合、必要性を示す書類がなければ補助対象外
リース共同申請に係る書類 リース会社との共同申請の場合に必要 見積書は共同申請の申請事業者宛に作成
組合特例による議事録等 組合特例での採択者は総会の議決を示す議事録を提出 日時、参加者など議事録の要件を満たす内容にする
各提出書類の日本語訳 提出書類が日本語以外の場合に必要 「日本語訳提出に伴う誓約書」や「翻訳証明書」も添付する必要あり

その他の注意点

  • 相見積書の取得:50万円以上の契約に対して、3者以上の見積書が必要です。最安値以外を選定する場合は、選定理由書を添付します。
  • 妥当性の確認:市場価格と著しくかけ離れた場合は申請が認められません。また、補助対象経費の見積書は税抜き・税込み価格の両方を記載します。
  • 無効申請のリスク:ペーパーカンパニーや販売実績がない業者からの見積もりは認められず、発覚した場合は採択取消や交付決定取消のリスクがあります。
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