小規模事業者持続化補助金、補助金の概要や申請についての注意点など

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金とは小規模事業者のための販路開拓や設備投資や業務効率化の投資を支援する補助金で、地域の商工会議所や商工会が事業者を支援する形で行われます。

1.事業の目的
小規模事業者および一定要件を満たす特定非営利活動法人(以下「小規模事業者等」という。)が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。 本補助金事業は、小規模事業者等が自ら作成した持続的な経営に向けた経営計画に基づく、販路開拓等の取組(例:新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等)や、販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。(小規模事業者持続化補助金 公募要領より引用)

補助金の目的と背景

補助金に申請し、採択を得てかつ、事業が発展するよう活用するためには、この補助金の目的と背景を知っておくとよいのではないかなと思います。

上記の補助金の目的ですが、簡単にまとめますと、

<目的>

小規模事業者や特定非営利活動法人が今後数年間で直面する物価上昇、賃金引き上げ、インボイス制度の導入などの変化に対応できるように支援すること。

つまり、目的は取り巻く状況がどんどん変わっていってるからそれに対応するための経費を支援します。ということで、具体的にこの補助金で支援することは、「販売方法の工夫や商品改良、新しい市場への進出などの取り組み」を支援するとあります。

<背景>

背景としても上記と同じで、「経済環境の変化や新しい制度の導入によって、多くの課題に直面しています。物価上昇や賃金引き上げは、経営コストの増加を招き、インボイス制度の導入は事務作業の負担を増やします。これらの課題に対処しながら、事業の成長や持続的な経営を実現する」必要があるため、その目的を実現してゆく必要があるというわけですね。

小規模事業者持続化補助金の基本情報など

小規模事業者持続化補助金の基本情報

補助対象者

※第16回の公募要領を参照しております。

要件番号 要件 補足説明
1 小規模事業者であること 従業員数が少ない企業。具体的には以下の条件を満たすことが必要です:

– 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):5人以下
– サービス業(宿泊業・娯楽業):20人以下
– 製造業その他:20人以下

2 大企業に完全に支配されていないこと 資本金が5億円以上の会社に直接または間接的に100%株式を持たれていないこと。
3 最近3年間の平均課税所得が15億円以下であること 申請者の最近3年間の平均的な課税所得が15億円を超えていないこと。確認のために納税証明書を求められることがあります。
4 商工会議所または商工会の管轄地域内で事業を営んでいること 商工会議所または商工会の地域で事業を行っていること。商工会議所または商工会の会員であるかどうかは問わない。
5 特定の補助金事業で過去に採択されている場合、事業化状況報告を提出していること 以下のいずれかの補助金で事業効果報告書を提出済みであること:
– 小規模事業者持続化補助金<一般型>
– 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
– 小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>
6 小規模事業者持続化補助金<一般型>の「卒業枠」で採択されていないこと 以前に「卒業枠」で補助金を受けたことがないこと。

補助対象となる事業者

  • 会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人など)
  • 個人事業主(商工業者)
  • 一定の要件を満たした特定非営利活動法人

補助対象とならない事業者

  • 医師、歯科医師、助産師
  • 系統出荷による収入のみの個人農業者
  • 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
  • 一般社団法人、公益社団法人
  • 一般財団法人、公益財団法人
  • 医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人
  • 開業していない創業予定者
  • 任意団体

補助率と補助上限額

類型 補助率 補助上限額 インボイス特例 追加申請要件
通常枠 2/3 50万円 +50万円
賃金引上げ枠 2/3(赤字事業者は3/4) 200万円 +50万円 ※①参照
卒業枠 2/3 200万円 +50万円 ※②参照
後継者支援枠 2/3 200万円 +50万円 ※③参照
創業枠 2/3 200万円 +50万円 ※④参照

インボイス特例の要件を満たしている場合

上記補助上限額に50万円を上乗せできます。

追加申請要件の詳細

要件番号 詳細
賃金引上げ枠の追加要件を満たす必要があります。
卒業枠の追加要件を満たす必要があります。
後継者支援枠の追加要件を満たす必要があります。
創業枠の追加要件を満たす必要があります。

注意事項

  • 補助事業終了時点で一定要件を満たしていない場合、補助金は交付されません。
  • 収益納付による補助金の減額交付や補助事業終了後の処分制限財産の処分による補助金の返還などが必要になる場合があります。
  • 会計検査院等による実地検査の結果、補助金返還命令が出された場合は従わなければなりません。

補助対象経費

下記にざっくりまとめました。詳しくは公募要領をご覧ください!

経費項目 説明
機械装置等費 補助事業に必要な機械や装置の購入費用。
広報費 パンフレットやポスター、チラシなどの広告宣伝費用。
ウェブサイト関連費 ウェブサイトやECサイトの開発・更新・運用費用。
展示会等出展費 展示会や商談会への出展費用(オンラインも含む)。
旅費 事業活動に必要な出張の交通費や宿泊費。
新商品開発費 新商品の試作やパッケージデザインの開発費用。
資料購入費 必要な図書や資料の購入費用。
借料 機器や設備のリース料・レンタル料。
設備処分費 使わなくなった設備の処分費用。
委託・外注費 専門業者に業務を依頼するための費用。

各経費の具体例

経費項目 対象となる例 対象とならない例
機械装置等費 新しい顧客層向けの特別な椅子や冷蔵庫、試作品用の3Dプリンター 事務用のパソコンやプリンター、車の購入
広報費 新商品のチラシや看板の制作費 名刺の制作費、会社案内パンフレット
ウェブサイト関連費 商品販売用のウェブサイトの作成、SNS広告 単なる会社の紹介ページ、効果が不明なSEO対策
展示会等出展費 新商品を展示会に出展するための費用、関連する運搬費や通訳料 販売のみを目的とした出展、展示会の参加費
旅費 展示会への出張交通費や宿泊費、新商品の材料調達のための調査出張費 通常の営業活動の交通費、パスポート取得料、日当
新商品開発費 新商品の試作品の材料費、パッケージデザイン費 試作品として使用しなかった材料費、既存商品の包装費
資料購入費 補助事業に必要な図書や資料(取得単価10万円未満のもの) 同じ図書を複数購入する場合
借料 イベント会場のレンタル費用、新たな事務所の賃貸料 既存の事務所の家賃、通常の生産活動に使用するもののリース料
設備処分費 古い設備の解体・処分費、借りていた設備の返却時の修理・原状回復費 消耗品の処分費用、事務用品の廃棄費用
委託・外注費 店舗の改装工事、ウェブサイトの開発、インボイス制度対応の専門家相談費 他社の販路開拓に繋がる取組、販路開拓や業務効率化に結びつかない工事

補助対象外の経費

以下に該当する経費は補助対象外です:

  • 国が助成する他の制度と重複する経費
  • 通常の事業活動に係る経費(商品の仕入れや既存機械の取替え費用など)
  • 他社のために実施する経費(他社の商品宣伝費など)
  • 自動車やフォークリフト、キッチンカーなどの車両の購入費用
  • 不動産購入・取得費、修理費(ただし、設備処分費は除く)
  • 税務申告や決算書作成のための費用
  • 電話代やインターネット利用料金などの通信費
  • 名刺や文房具などの消耗品費用

過去の成功事例

商圏の拡大例

ある食品製造・販売事業者が、効率的な熱伝導を行う製造システムを導入することで、新鮮なまま食品を遠方の顧客へ通信販売できるようになりました。この結果、商圏の拡大と売り上げの上昇につながりました。

対象経費:

  • 食品加工設備(機械装置等費)
  • ECシステム・決済の導入(ウェブサイト関連費)

申請について

※現在募集はありません。

  • 申請手順
    • 必要な書類
      書類名 法人 個人 NPO 種別 ファイル名例
      システムに直接入力する書類
      – 申請書(様式1)
      – 経営計画兼補助事業計画①(様式2)
      – 補助事業計画②(様式3)
      – 補助金交付申請書(様式5)
      – 宣誓・同意書(様式6)
      事業支援計画書(様式4) PDF 事業支援計画書(事業者名)
      貸借対照表および損益計算書(直近1期分) 写し 貸借対照表(事業者名)
      損益計算書(事業者名)
      株主名簿(該当者のみ) 写し 株主名簿(事業者名)
      直近の確定申告書
      – 第一表及び第二表
      – 収支内訳書(1・2面)
      – 所得税青色申告決算書(1~4面)
      写し 確定申告書(事業者名)
      貸借対照表および活動計算書(直近1期分) 写し 貸借対照表(事業者名)
      活動計算書(事業者名)
      現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書 原本 現在事項全部証明書(事業者名)
      履歴事項全部証明書(事業者名)
      法人税確定申告書(別表一および別表四) 写し 法人税確定申告書(事業者名)

      注意点

      • 事業支援計画書の発行依頼:事業支援計画書の発行受付は、公募締切の1週間前が原則です。早めに商工会または商工会議所に依頼してください。
      • 開業届の提出:決算期を迎えていない場合、開業届の写しを提出してください。
      • 電子申告の際:電子申告をした方は「受付結果(受信通知)」を提出してください。

マイナンバーの取り扱い:書類にマイナンバーが記載されている場合は、黒塗りしてください。

希望する枠・特例により追加的に必要となる書類一覧

希望する枠/特例 書類名 法人 個人 NPO 種別 ファイル名例
賃金引上げ枠 直近1か月間の賃金台帳(役員、専従者従業員を除く全従業員分) 写し 賃金台帳(事業者名)
全従業員の雇用条件(雇用契約書、労働条件通知書、就業規則など) 写し 雇用条件(事業者名)
直近1期の法人税申告書の別表一・別表四(赤字事業者のみ) 写し 赤字_法人税申告書(事業者名)
卒業枠 最新の労働者名簿(常時使用する従業員分のみ) 写し 労働者名簿(事業者名)
創業枠 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書 写し 特定創業支援証明書(事業者名)
現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(申請書の提出日から3か月以内の日付のもの) 原本 現在事項全部証明書(事業者名)
履歴事項全部証明書(事業者名)
開業届(税務署受付印のあるもの) 写し 開業届(事業者名)
インボイス特例 適格請求書発行事業者の登録通知書の写し(登録済みの事業者の場合) 写し インボイス登録通知書(事業者名)
登録申請データの「受信通知」(電子申告で登録申請手続中の事業者の場合) 写し インボイス受信通知(事業者名)

注意点

        • 賃金引上げ枠:全従業員の賃金台帳と雇用条件を記載した書類が必要です。赤字事業者の場合は直近1期の法人税申告書も提出してください。
        • 卒業枠:最新の労働者名簿を提出してください。
        • 創業枠:特定創業支援等事業の証明書や現在事項全部証明書、履歴事項全部証明書、開業届が必要です。
        • インボイス特例:登録通知書の写しや受信通知を提出してください。

申請方法

原則、オンラインでの申請になります。申請の流れは以下の通りです。

申請手続きの基本的な流れ

  1. 必要な書類の準備
    • 上記、「申請に必要な書類」と申請システムの操作手引きを確認し、必要な書類を用意してください。
  2. 電子申請システムへの入力
    • 電子申請システムに「経営計画」と「補助事業計画」を入力し、申請内容を印刷します。(商工会または商工会議所によっては画面に入力し、画面上またはオンラインで確認する方法もあります)
    • 希望する枠や加点等に関する書類を添付して、地域の商工会または商工会議所に「事業支援計画書」(様式4)の発行を依頼し、交付を受けてください。
    • 商工会または商工会議所の開設時間を確認し、訪問前には事前連絡をお願いします。
    • 「事業支援計画書」(様式4)の発行受付締切は、公募締切の1週間前が原則です。
  3. 事業支援計画書のアップロード
    • 商工会または商工会議所から交付された「事業支援計画書」(様式4)のPDFファイルを電子申請システムにアップロードしてください。
    • 紙媒体で交付された場合は、PDF化してアップロードします。
  4. 申請の提出
    • 受付締切までに、必要な提出物を全て揃えて申請してください。受付締切時間はたいてい17:00です。

申請手続きのポイント

  • この補助金事業は、小規模事業者が商工会または商工会議所の支援を受けながら行うものです。
  • 社外の代理人だけで商工会議所への相談や「事業支援計画書(様式4)」の発行依頼を行うことはできません。

 

審査項目

採択審査の基本情報

項目 説明
審査方法 提出資料を基に審査委員会が審査を行います。
結果の通知 採択または不採択の結果を全応募者に通知します。採択された場合、事業者名や事業概要などを公表する(ホームページ)ことがあります。
その他の注意事項 同じ内容で他の国の補助事業に応募している場合、重複採択はされません。
審査の観点 基礎審査、計画審査、加点審査の3つの観点から審査が行われます。

審査の観点

Ⅰ. 基礎審査

  • 提出資料の完全性:必要な資料が全て提出されているか。
  • 要件の適合性:補助対象者、補助対象事業、補助率、補助上限額、補助対象経費の要件に合致しているか。
  • 実行能力:事業を遂行するための能力があるか。
  • 主体性:小規模事業者が主体的に活動しているか。

Ⅱ. 計画審査

  • 経営状況分析の妥当性:経営状況や自社の強みを適切に把握しているか。
  • 経営方針・目標の適切性:経営方針や目標が明確で、自社の強みや市場の特性に合致しているか。
  • 補助事業計画の有効性:計画が具体的で実現可能性が高いか、販路開拓や経営目標達成に有効か。
  • 積算の透明・適切性:事業費の計上が正確で、必要な金額が明確に計上されているか。

Ⅲ. 加点審査

加点審査では、以下の政策的観点から加点が行われます。各項目は合計2種類まで選択できます。

加点項目 説明 必要な手続
赤字賃上げ加点 赤字事業者が賃金引上げ枠に申請する場合に加点されます。 賃金引上げ枠(赤字事業者)を希望した場合に自動適用。
事業環境変化加点 ウクライナ情勢や原油価格等の高騰による影響を受けている事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「事業環境変化加点」を選択し、影響内容を入力。
東日本大震災加点 福島第一原発の影響を受けた事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「東日本大震災加点」を選択し、必要な証明書を提出。
くるみん・えるぼし加点 くるみん認定またはえるぼし認定を受けている事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「くるみん・えるぼし加点」を選択し、認定通知書の写しを提出。
賃上げ加点 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上引き上げる事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「賃上げ加点」を選択し、必要な書類を提出。
パワーアップ型加点 地域資源を活用した事業や地域コミュニティ型事業を行う事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「パワーアップ型加点」を選択し、計画を入力。
経営力向上計画加点 経営力向上計画の認定を受けている事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「経営力向上計画加点」を選択し、認定書の写しを提出。
事業承継加点 代表者が60歳以上で、後継者が補助事業を中心に行う場合に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「事業承継加点」を選択し、必要な書類を提出。
過疎地域加点 過疎地域で事業を行う事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「過疎地域加点」を選択。
一般事業主行動計画策定加点 女性の活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者に加点されます。 希望する枠及び加点項目(様式2)の「一般事業主行動計画策定加点」を選択。

これらの観点に基づいて審査が行われます。

結論

小規模事業者持続化補助金では主に「販路拡大」のための経費が対象になります。

販路拡大についてまずは課題を明確にし、それを解決するための方法を申請してゆくとよいでしょう。基本的に「課題の明確化」と「実現可能性」「効果の目標」はきちんと自社の現状と市場の現状、自社がターゲットにする層をゆくゆく考えて「飛躍のない」事業計画が重要です。

ちなみに第15回の採択率は約48%と、一時期に比べだいぶ厳しくなっております。

不採択になってしまう要因として考えられるのが、「経費が明確ではない」「事業計画が点と点で一貫性がない(飛躍がみられる)」ということが多いように思います。

まずは自社を知る。そして自社のお客さんを知る。そしてそれについてどういったアプローチができるかを考えてからの申請が「芯を食った」申請につながってゆくものと考えております。

参考資料・リンク

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