小規模事業者持続化補助金における採択辞退・中止・廃止・事故報告の手続き
小規模事業者持続化補助金は、採択されたからといって補助金の交付が確定するわけではありません。採択後も「交付申請」「事業実施」「実績報告」という工程が続き、その途中で辞退・中止・廃止・事故報告といった判断が必要になる場合があります。
採択辞退・中止・廃止・事故報告という言葉の基本的な違いについては、制度横断の解説記事もあわせてご確認ください。本記事では、持続化補助金(<一般型><創業型>)に固有の手続きを、電子申請システム上の実際の操作に沿って整理します。
採択と交付決定は別のもの
持続化補助金では、採択通知を受けた時点では、まだ補助金の交付は決定していません。採択後に見積書などの必要書類を提出し、事務局の確認を経て、あらためて交付決定通知が発行されます。辞退や取り下げの手続きは、この「交付決定の前か後か」で内容が変わります。
採択辞退の手続き(交付決定前)
採択通知を受けたものの、交付決定通知が発行される前に事業の実施を取りやめる場合は、電子申請システムのマイページから「辞退申請」を行います。事務局への事前連絡は必須ではなく、システム上の手続きで完結します。
手順は以下のとおりです。
- マイページで「公募・交付申請を開始する」を押下する
- 申請内容確認画面が開くので、「辞退申請」の「申請する」を押下する
- 辞退申請入力画面で「申請日」「辞退の理由」を入力し、「次へ」を押下する
- 入力内容を確認し、「提出する」を押下する
提出が完了すると、マイページ下部の「関連する申請」に「辞退申請」が表示されます。入力内容の確認や、一時保存からの再開もここから行えます。
辞退が必要になる主なケースとしては、他の補助金(省力化補助金や自治体独自の補助金など)との重複採択により、同一経費への二重補助を避ける必要がある場合や、経営状況・資金計画の変化により事業実施が難しくなった場合が挙げられます。
交付申請取下届出書の提出(交付決定後10日以内)
交付決定通知を受けた後、交付内容や付された条件に納得できないなどの理由で事業を実施しない場合は、「交付申請取下届出書」(交付規程・様式第3)を提出します。
提出期限は、交付決定通知を受けた日から10日以内です。期限を過ぎると正式な取り下げとして扱われない場合があるため、交付決定通知を受け取ったら早めに内容を確認し、実施を見送る判断であれば速やかに手続きを行う必要があります。
中止・廃止の手続き(様式第5)
事業実施中に、やむを得ず補助事業の全部を廃止せざるを得ない場合は、補助事業実施期限までに「補助事業の中止(廃止)申請書」(交付規程・様式第5)を電子申請システム上で提出します。
事務局が廃止の理由・内容の妥当性を審査し、承認されると「中止(廃止)承認通知書」が通知されます。廃止の承認を受けた場合、それまでにかかった経費の実績にかかわらず、補助金は一切交付されません。部分実施分の精算といった扱いは認められない点に注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 補助事業実施期限まで |
| 提出書類 | 補助事業の中止(廃止)申請書(交付規程・様式第5) |
| 承認手続き | 事務局が内容の妥当性を審査し、「中止(廃止)承認通知書」を通知 |
| 補助金交付 | 廃止承認後は交付されない(部分実施分の精算も不可) |
| 保存義務 | 終了日(廃止承認を受けた場合を含む)から5年間、帳簿・証拠書類を保存 |
廃止した場合でも、補助事業に関係する帳簿・証拠書類は事業終了日から5年間の保存義務があり、その間に会計検査院等による実地検査が行われる可能性があります。検査の結果、補助金の返還命令等が出された場合は、これに従う必要があります。
事故報告(様式第6)
事業者の責任によらない事由により、補助事業実施期限までに事業を完了できないと見込まれる場合は、「事故報告書」(交付規程・様式第6)を提出します。
対象となるのは、異常気象による激甚災害地域の指定、火事、地震といった不可抗力によるものに限られます。次のようなケースは対象外とされている点に注意してください。
- 取引先の都合によるもの
- 自社の都合によるもの
- 申請時点ですでに周知されていた社会的要因(例:ウクライナ情勢、新型コロナウイルスの影響、半導体の供給不足など)
これらの理由による事故報告では、事業実施期限の延長は認められません。延長が認められる場合であっても、原則として最大1か月です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出時期 | 状況が発生した時点で速やかに |
| 提出書類 | 事故報告書(交付規程・様式第6) |
| 提出方法 | 電子申請 |
なお、事故報告や延長の取り扱いは、公募回や枠(一般型・創業型など)によって細部が異なる場合があります。実施中の公募回における最新の交付規程・手引きをあわせて確認してください。
※本記事は商工会議所地区分の電子申請手引きに基づいています。商工会地区分については別途確認が必要です。

