2021年から始まった事業再構築補助金。ザックリいうと新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少した事業者が新たな事業に挑戦してゆくための事業をサポートしてゆくための補助金です。
かなりセンセーショナルな補助金で、多くの事業者が2年間応募され、新規事業に挑戦中かと思います。
こんな事業者に事業再構築補助金
- 新しい市場に挑戦してゆきたい
- コロナで変わった状況に対応してゆきたい
- 新たな事業への取組を成功させ、従業員の賃金を上げてゆきたい
事業再構築補助金の申請について
基本要件
第8回公募まで(令和5年1月13日締切分)
- 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コ ロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較し て10%以上減少していること。(付加価値額の減少でも可)
- 経 済 産 業 省 が 示 す 「 事 業 再 構 築 指 針 ( https://www.meti.go.jp/covid19/jigyo_saikoutiku/index.html)」に沿った3~5年の事業計画書を認定経 営革新等支援機関等と共同で策定すること。
各類型に、個別の追加要件が必要になります。詳しくは後述します。
事業再構築補助金の類型、補助上限額、補助率
※第8回公募まで
類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
【従業員数21~50人】100万円~4,000万円 【従業員数51~100人】100万円~6,000万円 【従業員数101人以上】100万円~8,000万円 |
・中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
・中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
大規模賃金引上枠 | 【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円 | 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
回復・再生応援枠 | 【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 |
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3 |
最低賃金枠 | 【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 |
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3 |
グリーン成長枠 | 中小企業者等:100万円~1億円
中堅企業等 :100万円~1.5億円 |
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3 |
緊急対策枠 | 【従業員5人以下】100万円~1,000万円
【従業員6~20人】100万円~2,000万円 【従業員21~50人】100万円~3,000万円 【従業員51人以上】100万円~4,000万円 |
中小企業等 3/4(※1) 中堅企業等 2/3(※2)
(※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部 分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える 部分は2/3) (※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部 分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える 部分は1/2) |
また、この事業再構築補助金は令和4年補正では色々と変わるようです。
現時点(令和4年11月現在)でわかっている情報を整理すると下記の通りです。
類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 従業員規模により
1,000万円、1,500万円、 2,000万円、3,000万円 |
中小2/3(一部3/4)
中堅1/2(一部2/3) |
成長枠 | 従業員規模により
2,000万円、4,000万円、 5,000万円、7,000万円 |
中小1/2
中堅1/3 |
グリーン成長枠 | <エントリー>
従業員規模により 中小:4,000万円、6,000万円、 8,000万円 中堅1億円 <スタンダード> 中小:1億円、中堅:1.5億円 |
中小1/2
中堅1/3 |
産業構造転換枠 | 従業員規模により
2,000万円、4,000万円、 5,000万円、7,000万円 廃業を伴う場合2,000万円上乗せ |
中小2/3
中堅1/2 |
サプライチェーン強靱化枠 | 5億円 | 中小1/2
中堅1/3 |
最低賃金枠 | 従業員規模により
500万円、1,000万円、 1,500万円 |
中小3/4
中堅2/3 |
類型についての簡単な解説
ここでは、令和4年度補正で8次募集以降に行われる(補正予算が国会成立後)、類型の簡単な解説をしておきます。
詳しい内容に関しては公募要領などが公開されてからお話したいと思います。
類型 | 概要 |
---|---|
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 物価上昇により、業況が厳しくなってしまった事業者や、事業の回復再生、再編を行う事業者向け。
【緊急対策枠】【回復・再生枠】の後継措置か? |
成長枠 | 【通常枠】の後継措置
成長分野へ大胆に事業再構築を行う事業者向け 「成長」とついているので、賃上げが条件になるかもしれません。 |
グリーン成長枠 | 研究開発・・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資す る取組を行う事業者向け。「エントリー」と、「スタンダード」とあり、少額の枠も作られるようです。
これまでの引き続き。 |
産業構造転換枠 | 国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・ 業態の事業者向け。人口減少や、労働者の不足により、国内市場が縮小してしまうような問題点を、産業構造から転換しようという枠です。【回復・再生枠】の拡大バージョン? |
サプライチェーン強靱化枠 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者向け。
今回からの新しい枠です。緊迫する中国情勢に備えた枠でしょうか? |
最低賃金枠 | 最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者向け。
引き続きの枠となります。 |
申請に関する手順
要件や、類型、上限額について、それぞれの事業者さまの現在の課題に合わせて、選択してゆくべきともなりますが、一般的にどういった申請手順が必要になるか。をお話します。
ただし、こちらは令和4年11月現在の申請手順となりますので、新たな運用になり次第、更新いたします。
1.補助金のことを知る
「知る」というのは、「応募できるか」ということを確認するという意味です。
確認するべきポイントは下記の通りです。
- 要件
- 審査項目
- 加点項目
- 必要書類
です。この補助金を応募するために、どんなことが必要なのか。
何を審査されるのか。こちらを確認してください。
2.認定支援機関に相談
この補助金は、「認定支援機関」の関与が必須となっております。「認定支援機関」というのは別の記事で説明しますが、要は伴走型でこの補助事業をサポートしてくれる機関(申請に関する事業計画作成とは別でも同じでも)に相談を持ち掛けることを早い段階で行っておくことをお勧めします。
3.GビズIDプライムアカウントの取得
申請はオンライン申請になります。オンライン申請のために必要なIDを取得しなければなりません。
手順はコチラに記載がありますので、ご参考にされてください。
https://gbiz-id.go.jp/top/manual/pdf/QuickManual_Prime.pdf
4.ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報の入力
GビズIDが取得出来たら、忘れないうちにこの「事業財務情報」を入力しておくと良いです。
必要なものは「GビズID」と「過去3期分の決算書」をご用意ください。
5.申請準備
申請のための準備に取り掛かってゆきます。具体的には
- 事業計画書作成
- 必要書類の収集
を行ってゆきます。肝心の「事業計画書の作成」は後程、簡単にお話します。
必要書類の収集は、申請要件により変わってきます。
基本的に、全ての類型で必要な書類は
- 事業計画書
- 認定支援機関、金融機関の確認書
- 売上(付加価値)減少が証明できる書類
- 直近2期分の決算書(貸借対照表、損益計算書(特定非営利活動法人は活動計算書)、製造原 価報告書、販売管理費明細、個別注記表)
- ミラサポplus「電子申請サポート」の事業財務情報
- 労働基準法に基づく労働者名簿の写し
- 建物の新築が必要であることを説明する書類(建物を経費にいれている場合)
- リース料軽減計算書(リース会社と共同申請する場合)
- リース会社が適切にリース取引を行うことについての宣誓書(リース会社と共同申請する場合)
これに加え、それぞれの類型で必要な書類は変わってきます。
6.オンライン申請
締切までの期限内に、オンライン申請サイトで、上記の書類を揃えて申請を行います。丸1日、このために時間をとっておきましょう。
応募までの手続きはコチラの通りです。
応募後、2か月程度で採択発表があります。
これだけのタスクが必要となります。
公募要領をよく読み、不備の無い申請でないと採択されることはありません。
事業計画書の作成について
事業再構築補助金の申請書は10ページ、または15ページ以内で審査項目を満たした形で作成します。
この補助金ですが、様式の指定がなく、自由様式での提出となります。
ほとんどがワードでの作成、PDFにして申請が多いように思いますが(当社比)、中にはパワーポイント、エクセル等の別の様式で作成し、PDFにして申請というケースがあったという事も聞いております。
この事業計画書の作成について、簡単に説明します。
とはいえ、これに関しては事業者さんの状況や申請についての内容にもよるので、あまり詳しくは書きようもないですが、少し参考になれば。
あくまで、当事務所がサポートする場合です。
1.自社の現在の概要を記載する。
いわゆる自己紹介です。どういった会社なのか、そういった沿革でどれくらいの事業規模なのか。自社が「しっかりとまじめに事業をしているよ」という事を簡潔に説明します。
2.SWOT分析
自社の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を抜きだし、「強みを活かして弱みを克服」
「強みを活かして機会を捉える」とか言ったようにクロスSWOTを繰り広げてゆきます。これは審査項目にあります。
やみくもに行うのではなく、現在とこれから行う申請する事業に関連する「強み」や「弱み」などを書き出してゆくと良いです。
3.現在の事業環境・課題を出し、再構築の必要性を書く。
現在の事業の売上や営業利益、市場やユーザーの動向、課題を明確にして、新事業に事業を再構築する必要性を明示します。
現在の事業規模が縮小していたり、市場規模の縮小だったり、回復が見込めない。新規市場に挑戦する事が成長を見込める。など再構築の必要性を記載します。
4.応募枠や事業再構築指針との関連性を記載する。
公募要領や事業再構築指針について、新事業との関連性を記載します。
新事業要件・新市場要件など重要な記載項目ですのでしっかりと、明確に記載しましょう。
5.成果の優位性を記載する
「他社に比べて」その新事業で「価格的」「性能的」な優位性を記載します。
6.事業化見込み、収益計画、実施体制を細かく記載する
キタゴウ行政書士事務所の事業再構築補助金申請サポート
1.事業規模、応募類型、課題、そして強みに合わせた最適な事業計画書作成サポート
事業再構築補助金の申請に必要な事業計画書を、実績ある行政書士がサポートします。強みの把握、審査項目や要件の確認、解説、アドバイス、細かいところまで詳しくサポートします。
2.認定支援機関としての伴走型申請サポート
当事務所は、認定経営革新等支援機関として登録されております。事業者様の最適な申請、目標達成に係るアクションプランの実行や現在の事業との兼ね合いや定点観測など、じっくりと共に進んでゆく、伴走型サポートを行っております。
料金
事業再構築補助金 事業計画策定サポート
計画申請サポート支援 成長枠 15万円、グリーン枠(スタンダード) 30万円
採択後報酬 補助金申請額の5%(最低料金なし)
採択後、実績報告支援 50万円~120万円
- 料金表示は税別表記となっております。
- ご契約後に申請を中止する場合、中途解約の場合は 15万円いただきます。
サービススケジュール
1 | お問い合わせ(初回ご相談30分無料です) |
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2 | ご契約、重要事項説明(オンライン又は直接当事務所のご契約内容をご説明いたします) |
3 | ヒアリング(内容に応じ、2回~4回程度の面談を致します。面談の方法は少なくとも2回は貴社へお邪魔致します。) |
4 | 申請サポート |
当事務所にご依頼いただくメリット
- 豊富な実績を誇る行政書士が事業者様のお悩みを伺い、最適なプランをご提案します。
- 無理のない、伴走型支援を行います。採択後の事業化報告、その後の実行支援等、「事務作業・文書作成のスペシャリスト」行政書士の本文です。
- パワーチームを組んで対応することも可能です。案件に応じ、他士業(弁護士、社会保険労務士、中小企業診断士)や行政書士とも連携し、最適な計画~実行をサポートします。特に、新事業を行う上で、許認可が必要になる事もあります。
例えば、現在製造業→空いた工場でカフェを行う時には飲食店営業許可、現在造園業で空いた土地にグランピング施設→開発行為許可や旅館業許可等が必要になるケース。
こうしたことも「未然」に想定することが出来ます。