2025年7月26日、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)第19次公募の採択結果が公表されました。
採択結果はコチラ
今回の締切では、全国で5,336件の申請があり、採択されたのは1,698件。採択率は約31.8%という結果でした。
(内訳:高付加価値化枠 1,623件、グローバル枠 75件)
やはり採択率は3割前後と厳しめでしたね。しかし、採択された事業計画を見ていくと、「どういう内容が通ったのか」「どんなテーマに注目が集まっているのか」が、はっきりと見えてきます。
■ 採択事例から見えてきた“5つの傾向”
第19次の採択結果から、特に目立ったのは以下の5つの流れです。
① DX・自動化への投資がますます加速
「AI」「IoT」「ロボット」「3Dスキャナー」など、デジタル技術を活用して
生産の効率化や省人化を目指す事業が多数採択されました。
特に目立ったのは、人手不足が深刻な業界。
建設業・製造業・動物病院などで、業務の自動化に取り組む内容が高く評価されているようです。
省力化補助金との兼ね合いもあるでしょうが、もの補助の「革新的事業」というテーマには上記は避けては通れない投資ということでしょうね。
② 高付加価値な新商品・新サービスの開発が中心に
「ただのリニューアル」ではなく、
市場の変化や新しいニーズに応える挑戦が多く見られました。
ゼロイチということでもありませんが、既存の事業の課題解決のため、より新たなニーズに応えてゆく傾向にあるように思います。
例として、採択者一覧からキーワードを抜粋してゆくと、
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食品業界:健康志向や機能性素材を活かした新商品
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製造業:EV関連部品や半導体製造装置の部品など、成長分野へのシフト
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サービス業:完全予約制の新業態、AIによる接客支援 など
③ 専門性に特化した“動物病院”が大躍進
今期、特に目立ったのが「動物病院」分野の採択です。
割と動物病院は採択があったのですが、今回は「専門性」が評価されているのか非常に目立ちました。
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CTやMRI、レーザー治療などの先進設備の導入
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眼科・整形外科・腫瘍科・エキゾチックアニマル診療などの専門診療への対応
これは、ペットの高齢化・家族化に伴って、地域でも高度な医療を求める声が高まっている現状を反映していると考えられます。
④ 環境配慮・サステナビリティも重要なテーマに
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廃材のリサイクル(古紙、廃タイヤ、コンクリートなど)
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地域資源の活用(農産物の未利用部分、木くずなど)
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環境負荷の低い製品・プロセスへの切り替え(例:水性塗料)
など、「環境×イノベーション」への取り組みも高評価でした。
テーマとして壮大で飛躍に繋がりそうなんですが、具体的である場合、特に
SDGsや脱炭素の視点が、ものづくり補助金にも強く求められています。
⑤ 海外市場への挑戦も継続的に評価
「グローバル枠」では、以下のような事業が採択されました:
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越境ECによる海外販路開拓
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海外展示会への出展
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日本製品(伝統工芸、食品、精密部品など)の輸出体制強化
国内市場の縮小が進むなか、“海外で稼ぐ”視点は引き続き強く評価されています。
■ 今回の結果から見えてくる“次回に向けたヒント”
採択結果から読み解くと、採択されやすいテーマにはいくつかの共通点があります。
✅ 「今よりちょっと良くする」ではなく、「根本から変える」挑戦
✅ 設備投資の“理由”が明確で、収益につながるストーリーがあること
社会課題などもテーマではあるのですが、地に足を付けていることも重要なのかなと思います。
■ 申請をお考えの方へ
ものづくり補助金は、制度の理解、準備、そして表現の仕方によって大きく採択率が変わります。
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今回不採択だった方
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次回の申請を考えている方
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自社の計画が補助対象になるのか相談したい方
どんな段階でも、お気軽にご相談ください。
採択率を高めるために、今何をすべきかを一緒に考えます。