ものづくり補助金 第19次公募開始! 事業計画書作成・審査項目について解説

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ものづくり補助金 第19次公募が2月14日に開始されました。

ものづくり補助金 第19次公募開始! 申請方法について解説

今回は、事業計画書の作成と審査項目について解説いたします。

審査項目にあわせて事業計画作成ポイントについて確認

公募要領は先に「事業計画書への記載事項」が記載されていてその注意点が述べられていますが、まずは審査項目として何が問われているのかを知ってからのほうが記載事項についてもピンとくるように思いますので先に審査項目をまとめて、そして事業計画書作成ポイントを解説できればと思います。

審査項目1:補助事業の適格性
⚫公募要領に記載の対象者、対象事業、対象要件等を満たしているか。

これは、要件にあてはまっているかどうかです。基本事項ですね。要件についてはこの記事で対象要件などを確認してください。公募要領ではP3~P26までの対象事業から対象経費までになりますので、併せて確認してみてください。

審査項目2:経営力
⚫本事業により実現したい経営目標が具体化されているか。
⚫市場・顧客動向を始めとした外部環境と、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)等にかかる強み・弱みの内部環境を分析したうえで事業戦略が策定され、その中で、本事業が効果的に組み込まれているか。会社全体の売上高に対する本事業の売上高が高い水準となることが見込まれるか。

審査項目2はズバリ経営力ですが、これまでのものづくり補助金よりもかなり直接的で具体的な審査ポイントになっています。

とはいえ、霞が関文章にしてはすっきりまとまっているんで、あえて文章を分割して読み解いてゆきたいと思います。

1️⃣ 経営目標の具体化

審査では、本補助事業を通じて何を達成したいのかが 明確かつ具体的に記載されているか が重視されます。

良い例

  • 数値目標 を設定する(例:「3年後に売上高を〇〇円にする」「生産効率を〇〇%向上させる」)
  • 導入する機械・システムによる具体的な効果 を記載(例:「新規設備導入により、〇〇の製造コストを〇〇%削減」)

2️⃣ 外部環境と内部環境の分析

自社を取り巻く 市場環境自社の強み・弱み をしっかり分析し、それを活かした事業戦略を提示することが重要です。

📌 外部環境の分析(市場・顧客動向)

  • 市場規模、業界トレンド、競争環境を分析
  • ターゲット顧客のニーズを把握(例:「近年〇〇の需要が拡大しており、当社の〇〇技術が競争優位を発揮できる」)

📌 内部環境の分析(自社の強み・弱み)

  • ヒト(人材):「熟練技術者が多数在籍している」
  • モノ(設備):「最新鋭の〇〇設備を導入している」
  • カネ(資金力):「財務基盤が安定している」
  • 情報(ノウハウ):「〇〇に関する特許技術を保有している」

3️⃣ 事業戦略との整合性

補助事業が 会社全体の成長戦略の中でどのように位置付けられているか を明確にすることが必要です。

4️⃣ 会社全体の売上に対する本事業の影響

補助事業が 企業全体の売上に大きく貢献するか も審査のポイントになります。

と、ここで事業計画書にはどう落とし込むかなんですが、事業計画書作成ポイントと照らし合わせると下記のように落としこめばよいのではと考えます。

審査項目(経営力) 事業計画書作成のポイント(該当部分) 関連性の解説
経営目標の具体化 ✅ 定性的・定量的情報を用いて、具体的な理由や根拠を示しながら詳細に記載

※定性的とは・・・数値ではなく、言葉や概念を使って表現される情報。 顧客の声、トレンド分析、市場動向、競合分析などが含まれる。
例: 「当社の強みは、熟練した職人による高精度な加工技術であり、競合他社よりも細かいカスタマイズ対応が可能である。」

※定量的とは・・・数値やデータを用いて客観的に示せる情報。収益、売上高、成長率、生産効率など、具体的なデータを用いる。
例: 「直近3年間の施工実績は年間120件であり、前年と比較して15%の増加が見られる。」

経営目標が具体的であるかどうかは、事業計画書に明確な数値や根拠が示されているかによる。定量的な目標設定が求められる。

 

外部環境・内部環境の分析と事業戦略の策定 ✅ 自社の現状や置かれている外部環境と内部環境を分析し、それらを踏まえた中長期的なビジョンや目標を設定

🔹 外部環境: 企業の外側にある、自社が直接コントロールできない要因。
例: 「環境規制の強化により、エコ製品の需要が拡大。」
🔹 内部環境: 企業内部の強み・弱みを示す要因。
例: 「当社は最新のCNC機械を保有し、高精度な加工が可能(強み)。しかし、熟練工の高齢化が課題(弱み)。」

市場・顧客動向や自社の強み・弱みを把握した上で、補助事業がどのように経営戦略に組み込まれるのかを明確にする必要がある。

🔹外部環境のチャンスを活かし、内部環境の強みを伸ばし、弱みを克服する戦略を立てる。

課題解決策の明示 ✅ 自社の課題に対する具体的な課題解決策を示し、本補助事業が必要な理由を説明 事業戦略において、本補助事業がどのような役割を果たし、どのように事業の成長に寄与するのかを明確にする。

課題の見出し方(解決できない問題と混同しない)

課題とは「自社の努力や工夫で解決できる問題」。一方、外部要因による解決困難な問題(例:為替変動、法律改正)は課題ではなく、リスク管理が必要。

例:

  • 誤り: 「原材料価格の高騰 → 自社でコントロールできない」
  • 正解: 「原材料費増に対応するために、歩留まりを向上させる仕組みを作る」
補助事業の具体的な取組内容の説明 ✅ 設備投資の具体的な内容(機械装置の型番など)、本事業の取組内容、成果目標を明確に記載 事業戦略の中で、本補助事業が具体的にどのような機械投資・技術開発・販路拡大に関係しているのかを示すことで、審査項目の評価につながる。
売上高に対する本事業の影響の明示 ✅ 本事業の成果が寄与すると想定する市場規模・想定する具体的な顧客の明確化 本補助事業が成功した場合の売上成長や市場拡大の見込みを具体的に示すことで、審査項目の「会社全体の売上高への影響」を明確に説明できる。
事業化見込みと収益性の説明 ✅ 目標となる時期・売上規模・価格設定、資金調達計画を記載 本補助事業の成果がいつ収益化され、どの程度の売上に貢献するのかを明確にし、経営目標との一貫性を持たせることが重要。

 

審査項目3:事業性
⚫本事業により高い付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定されており、かつその目標値の実現可能性が高い事業計画となっているか。
⚫本事業の課題が明確化され、課題に対する適切な解決方策が示されているか。
⚫本事業により提供される新製品・新サービスや海外需要開拓の対象となる市場の規模や動向の分析がされているか。当該市場は今後成長が見込まれるか。
⚫本事業により提供される新製品・新サービスや海外需要開拓が顧客に与える価値は何か。顧客ターゲットが明確か(顧客の特徴(属性・商圏等)が具体的に特定できているか)。顧客ニーズの調査・検証がされているか(対価を支払ってでも本事業により提供される新製品・新サービスを選択したいと考える顧客がどの程度存在するか)。本事業により提供される新製品・新サービスが顧客から選ばれる理由を理解しているか。
⚫本事業により提供される新製品・新サービスと競合する他社製品・サービスや代替製品・サービスに関する分析がされているか。競合する他社製品・サービスや代替製品・サービスに対して、本事業により提供される新製品・新サービスは差別化がされ、優位性を有しているか。

補助事業が 市場での成功可能性 を持っているかを評価されます。特に、付加価値創出・賃上げの実現可能性、市場分析、顧客ニーズ、競争力 の観点が重視されます。

要するに、結局、事業が売り上げに直結し「儲かるか」「市場に受け入れられるか」、を市場の状況や顧客の状況、そして競争力から審査し、それが「付加価値創出」「賃上げ」につながるかという意味です。

では、この項目から先に「事業計画書作成のポイント」と照らし合わせてみてゆきましょうかね。※グローバル枠のみの審査項目は割愛しております。

審査ポイント 解説 事業計画書作成ポイントとの関連性
① 付加価値創出・賃上げの実現可能性 事業が売上や利益を生み出し、従業員の賃上げにつながる計画になっているか。 売上目標・付加価値額・賃上げ目標 を具体的に記載することが重要。

※ 付加価値額とは・・・営業利益+減価償却費+人件費

② 課題と解決策の明確化 自社の課題を特定し、解決策を具体的に提示しているか。 課題の明確化 → 課題解決策 → 本事業の必要性 を論理的に整理する。

課題の見出し方(解決できない問題と混同しない)

課題とは「自社の努力や工夫で解決できる問題」。一方、外部要因による解決困難な問題(例:為替変動、法律改正)は課題ではなく、リスク管理が必要。

例:

  • 誤り: 「原材料価格の高騰 → 自社でコントロールできない」
  • 正解: 「原材料費増に対応するために、歩留まりを向上させる仕組みを作る」
③ 市場規模・動向の分析 市場が今後成長する見込みがあるか。海外展開なら現地ニーズも含めた分析が必要。 市場調査のデータ(市場規模・成長率)を活用し、需要の裏付けを示す。

市場調査のポイント

1. 市場規模の把握

 ➡ 市場がどの程度の大きさかを知る
 :「国内の金属加工業の市場規模は○兆円、年平均成長率○%」

2. ターゲット顧客の特定

 ➡ どんな顧客が、どのようなニーズを持っているかを明確にする
 :「中小製造業の工場長が求めるのは、省エネ型の最新工作機械」

3. 競合分析

 ➡ 既存の競合製品・サービスと比較し、自社の強みを明確にする
 :「A社の製品は価格が安いが精度が低い → 当社は高精度を強みとする」

4. 市場動向の確認

 ➡ 市場が成長しているのか、縮小しているのかを把握する
 :「建設業界のDX需要が高まり、CADソフトの導入が増加傾向」

5. 実際のデータを活用

 ➡ アンケートやヒアリング結果などの客観的なデータを活用する
 :「80%の製造業者が、最新設備導入の意向あり(業界レポートより)」

④ 顧客ターゲットの特定とニーズの検証 誰に、どのような価値を提供するのかを明確にする。 ターゲット顧客の属性・商圏・購入動機を具体的に記載。 顧客ヒアリングの結果などを示すと説得力が増す。

※単に「企業向け」「全国対応」ではなく、 「誰に・どこで・なぜ売れるのか」 を具体的に記載すると説得力が増します!

⑤ 競争環境と差別化戦略 競合との違いや自社の強みが明確になっているか。 競合分析を行い、自社製品・サービスの優位性を説明する。 価格・品質・サービスなどでの差別化がポイント。

1. 競合を特定する(誰と比較するのか?)

同じ市場で類似製品・サービスを提供する企業をリストアップ
:「A社・B社は同じ業界で類似の製品を販売している」

2. 競合の強み・弱みを分析する(他社の特徴は?)

価格・品質・ブランド・販売チャネル・アフターサポートなどを比較
:「A社は価格が安いが、品質にバラつきがある」「B社は高品質だが納期が長い」

3. 自社の優位性を示す(どう差別化できるか?)

競合と比較し、強みを具体的に伝える
:「当社製品はB社と同等の高品質ながら、短納期で提供可能」

審査項目4:実現可能性
⚫本事業に必要な技術力を有しているか。また、当該技術力が競合する他社と比較してより優位な技術力か。
⚫本事業に必要な社内外の体制(人材、専門的知見、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、本事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか。
⚫本事業の事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。
⚫本事業は投入する補助金交付額等に対して、想定される売上・収益の規模等の費用対効果が高いか。また、本事業の内容と補助対象経費とが整合しており、費用対効果が明確に示されているか。

表にしてまとめます。ここでは実現可能性として「技術力の面での実現可能性」「社内体制としての実現可能性」「やり方やスケジュールからみる実現可能性」「費用対効果」を審査されることになります。

審査項目(実現可能性) 事業計画書作成のポイント 具体的な記載内容の例
本事業に必要な技術力を有しているか。また、競合と比較して優位な技術力か。 自社の技術力の独自性を示し、競合と比較した強みを説明する。 「当社は〇〇技術において特許を取得し、従来製品と比較して△△%の効率向上を実現している。」
本事業に必要な社内外の体制(人材・知見・財務)が整っているか。 事業遂行のための人材配置、外部支援、資金調達計画を明示する。 「専門技術者〇名を新規事業に配置し、資金調達は銀行融資〇千万円を利率〇%、返済期間〇年で〇〇銀行より受けることを内諾済み。」

※内部体制や外部体制は別で表を作っても良いかもしれません。入力時は文章で伝えられるようにまとめておいた方が良いですね。

事業遂行方法・スケジュールの妥当性 事業の流れ(開発・試作・生産・販売)を具体的に計画し、課題解決策を示す。 「試作を〇ヶ月で完了し、〇年〇月に市場投入。品質管理体制の強化策も導入予定。」
投入する補助金に対する費用対効果が明確か。 投資額と予測売上を根拠とともに提示し、補助金による利益の拡大効果を示す。 「初年度売上〇〇万円、3年後には△億円規模に成長予定。投資回収期間は〇年。」

審査項目5:政策面
⚫地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
⚫ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
⚫異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取り組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。また、事業承継を契機として新しい取り組みを行うなど経営資源の有効活動が期待できるか。
⚫先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
⚫成長と分配の好循環を実現させるために有効な投資内容となっているか

政策面は、その実を知れば書き方も見えてくるということで、この審査項目が政府のどういった政策を反映してのものか、とりあえずまとめます。

出典なんかも示しておこうと思います。

審査項目 関連する政策・施策 出典・根拠
地域の特性を活かした高付加価値の創出、地域経済成長の牽引 地域未来投資促進法、地方創生推進基本方針 「地域未来投資促進法」(経済産業省)、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(内閣府)
ニッチ分野におけるマーケティングや独自性の高い製品・サービス開発 中小企業の競争力強化政策、日本の強みを活かしたグローバル市場戦略 グローバルニッチ企業100選 「中小企業成長戦略2023」(経済産業省)、「成長戦略実行計画」(内閣府)
異なる事業者の連携による高い生産性向上、経済波及効果 中小企業等経営強化法、地域産業連携促進施策 「中小企業等経営強化法」(中小企業庁)、「地域未来投資促進法」(経済産業省)
先端的デジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境配慮事業の推進 デジタル田園都市国家構想、グリーン成長戦略 「デジタル田園都市国家構想基本方針」(内閣府)、「グリーン成長戦略」(経済産業省)
成長と分配の好循環の実現 新しい資本主義、企業の賃上げ促進策 「新しい資本主義実行計画」(内閣府)、「中小企業の賃上げ支援策」(経済産業省)

地域の特性を活かした高付加価値の創出、地域経済成長の牽引・・・これは地域未来投資促進法、地方創生推進基本方針の評価ポイントを踏まえて記載してゆくのが良いのかなとも思います。ただ、当然事業との関連性がなくては単なる散文、絵日記になってしまうので、関連するポイントを絞って記載しましょう。

地域未来投資促進法・地方創生推進基本方針の評価ポイントとの関連性

評価基準 記載のポイント 具体例
地域資源の活用 地域の特産品や強みを活かしたビジネス展開 地元の果物を使ったオリジナルスイーツの開発・販売
地域の雇用創出 新規雇用数や対象者を具体的に示す 工場建設により新規雇用30名、若年層のUターン促進
経済波及効果 地元企業との連携、売上シェアの配分などを示す 地元企業と共同開発した製品の全国展開、売上の20%を地元へ還元
持続可能な事業モデル 地域の課題とその解決策を明確化 伝統産業の後継者不足を解決するための職人育成プログラム

ニッチ分野におけるマーケティングや独自性の高い製品・サービス開発・・・これは数年前からある「グローバルニッチ企業100選」の評価ポイントにも関連するかと思います。ニッチであるから世界でも通用する。ニッチ市場において世界市場で存在感を持っているとかそういった感じですね。ここでの記載ポイントですが、理想論として下記のようなポイントを留意してもいいんじゃないでしょうか。

グローバルニッチトップ企業100選の評価ポイントとの関連性

評価基準 記載のポイント 具体例
世界市場における優位性 市場シェア、競争力の明確化 「当社の技術は〇〇市場でシェア△%」
技術革新と独自性 特許・独自技術の保有 「△△技術の特許を〇〇カ国で取得」
マーケティング戦略 市場分析、成長性を示す 「2025年までに市場規模〇兆円、当社は〇%シェアを目指す」
グローバル展開の実績 海外販売実績、パートナー企業との連携 「北米で△△社と契約済み、年間〇〇台販売」

実際のところ、海外進出についてどういった可能性があるかどうかの話になってくるとは思います。あまり飛躍した話を書く方が不自然でもありますしね。

異なる事業者の連携による高い生産性向上、経済波及効果・・・中小企業等経営強化法・地域産業連携促進施策の評価ポイントを踏まえて記載してゆきたいところですが、法や施策を読むと話が飛躍しがちで、いまいちつかみにくいのかなとも思います。

中小企業等経営強化法・地域産業連携促進施策の評価ポイントとの関連性

評価基準 記載のポイント 具体例
事業連携の相乗効果 企業間で補完し合う仕組みを説明 「A社(加工)とB社(組立)が協業し、開発期間を30%短縮」
生産性向上の実現可能性 具体的な効率化手段・数値を示す 「設備の共同利用により、設備投資コストを50%削減」
地域経済への波及効果 地元雇用の創出や取引増を記載 「地元企業5社との新規取引が発生し、年間売上1.2億円増」
経済循環の強化 地域内での取引拡大の仕組みを記載 「地域内で部品調達を行うことで、物流コストを削減し、企業間取引を強化」

先端的デジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境配慮事業の推進・・・GX関係の話でもありますし、DX関係の話でもあります。概念ではなく事業の効果としてどう書くかといったところです。

政策・施策 評価のポイント 記載の際の考え方
成長戦略実行計画(デジタル田園都市構想) デジタル技術を活用した生産性向上・新市場創出 ものづくり補助金において IoT・AI・DXによる業務効率化や新規事業開発の具体例 を示す
グリーン成長戦略(2050年カーボンニュートラル) 脱炭素技術・エネルギー効率化による環境負荷低減 再生可能エネルギー活用、製造プロセスの省エネ化 などを明確に記載
環境未来都市構想・SDGs実施指針 持続可能な事業運営、資源の有効活用 循環型ビジネスモデル(リサイクル・アップサイクル技術など) を示す
デジタル産業戦略・スマートファクトリー推進 AI・ビッグデータ・ロボティクス等の活用による競争力強化 自動化・遠隔監視技術の導入事例を記載

成長と分配の好循環の実現・・・これは久々に聞きましたね。岸田内閣で標榜された「新しい資本主義」からの政策点です。その点も踏まえて、

関連する政府の施策と評価ポイント

政策・施策 評価のポイント 記載の際の考え方
「新しい資本主義」実行計画 企業の生産性向上による経済成長と所得向上の両立 設備投資・DX化による労働生産性向上、賃上げの仕組みを示す
「中小企業賃上げ促進税制」 中小企業の賃上げ支援と成長促進 給与支給総額・最低賃金引き上げの計画を具体的に記載
「働き方改革実行計画」 労働環境改善と多様な働き方の実現 労働時間削減・リモートワーク導入などの改革を明記
「中小企業生産性革命推進事業」 デジタル技術活用による生産性向上と競争力強化 補助金活用により実現できる業務効率化を説明

加点項目

加点項目については最大6つ、評価されます。どれが高得点とかそういうのは公表されておりません。個人的には「パートナーシップ構築宣言」「事業継続力強化計画」「成長加速化 マッチングサービス」は応募者全員が取ってくるかと。理想を言えば、賃上げ加点、経営革新計画ももの補助と親和性も高いので補助金に関わらず承認はとっておきたいところでもありますね。

No. 加点項目 概要 対象となる事業者
1 経営革新計画 「経営革新計画」の承認を受けた事業者 中長期的な成長戦略を策定し、都道府県の承認を得た中小企業
2 パートナーシップ構築宣言 企業間の適正な取引関係を促進する取り組みを公表 「パートナーシップ構築宣言ポータルサイト」に登録済の事業者
3 再生事業者 経営再建・事業再生に取り組む事業者 事業再生計画を策定し、金融機関等と協議を行っている企業
4 DX認定 デジタルトランスフォーメーション(DX)に積極的に取り組む事業者 経済産業省のDX認定制度を取得済の企業
5 健康経営優良法人認定 社員の健康管理を経営戦略に組み込んでいる事業者 「健康経営優良法人2025」に認定された企業
6 技術情報管理認証 機密情報や技術情報を適切に管理する企業 「技術情報管理認証」を取得済の事業者
7 J-Startup / J-Startup地域版 高成長が期待されるスタートアップ企業 「J-Startupプログラム」に選定された企業
8 新規輸出1万者支援プログラム(グローバル枠のみ) 海外輸出に取り組む企業を支援する政府プログラム 「新規輸出1万者支援プログラム」に登録済の企業
9 事業継続力強化計画 企業の防災・災害対応能力を高める計画を策定 「(連携)事業継続力強化計画」取得済の企業
10 賃上げ 従業員の給与支給総額の年平均成長率を4.0%以上増加させる計画 賃上げ目標を設定し、事前に従業員に表明した事業者
11 被用者保険 短時間労働者の社会保険加入を推進 50名以下の中小企業が、任意適用事業所として短時間労働者を被用者保険に加入させる場合
12 えるぼし認定 女性活躍推進法に基づき、女性の働きやすい環境を整備 「えるぼし認定」取得済の企業
13 くるみん認定 育児支援に積極的に取り組む企業 「くるみん認定」取得済の企業
14 事業承継 / M&A 過去3年以内に事業承継を行った事業者 株式譲渡・事業譲渡・相続・贈与による事業承継を実施した企業
15 成長加速化マッチングサービス 企業の成長を支援するためのマッチング支援に登録 「成長加速化マッチングサービス」に登録済の企業

減点項目

No. 減点項目 概要 対象となる事業者
1 補助金複数回利用者 過去3年間に本補助金の交付決定を1回受けた事業者は減点対象となる。 本補助金を3年以内に1回利用した事業者
2 補助要件未達事業者 過去に本補助金の交付決定を受け、事業を実施したものの、以下の基本要件を達成できなかった事業者は減点対象。
・給与支給総額増加要件(賃上げ)
・最低賃金水準要件
給与支給総額または最低賃金要件を未達成の事業者
3 加点項目要件未達事業者 加点を受けたにもかかわらず、設定した賃上げ要件を達成できなかった場合、未達が報告されてから18か月間、以下の補助金申請時に減点される。
※やむを得ない理由(災害による損失など)が認められた場合は例外
・ものづくり補助金
・IT導入補助金
・持続化補助金
・事業承継・M&A補助金
・事業再構築補助金
・省力化投資補助金
・新事業進出補助金

 事業計画書作成における注意点

基本的に、電子申請システムへ必要事項を入力し、補足資料としてA4サイズ3ページ以内のPDFを提出する形に変更されました。これに伴い、以下の点に注意して作成を進めましょう。

※詳しい記載方法などはマニュアルや参考様式が公表され次第、加筆いたします。

✅ 1. 記載内容の網羅

事業計画書は、以下の要件を満たすよう作成してください。

  • 審査項目(経営力・事業性・実現可能性・政策面)をカバーする
    • 事業の目的、強み、課題と解決策、収益見込みなどを明確に
  • 加点項目・減点項目の影響を考慮
    • 加点項目(賃上げ計画、DX認定など)を積極的に活用
    • 過去の補助金利用歴がある場合は減点の可能性も考慮
  • 参考様式・ガイドラインに沿って記載
    • 申請システムのフォーマットに従い、適切な入力を行う

✅ 2. A4 3ページPDFの作成

事業計画の補足資料はA4 3ページ以内にまとめる必要があります。

📌 作成のポイント

  • 文章だけでなく、図表やグラフを活用
    • 市場調査データ、設備、売上計画などを視覚的に表現
  • 必要な情報を簡潔に
    • 長すぎる説明を避け、わかりやすく端的に
  • ページごとの構成例
    1. 事業概要 & 課題と解決策
    2. 市場・競争環境の分析
    3. 売上計画 & 賃上げ計画

NG例

  • 画像や表が多すぎて文字が読みにくい
  • 余白が多く、情報量が少ない
  • 3ページを超える
  • 事業内容に直接関係のない不必要な個人情報(例えば、社長、役員、従業員及び顧客の顔写真等)の掲載

✅ 3. 認定支援機関等の支援を受ける場合

申請時には、事業計画書作成支援者の情報を正確に申告する必要があります。

⚠️ 申告漏れがあると…

  • 不採択・補助金返還 の可能性あり
  • 事業者名・代表者名の公表リスク

📌 記載すべき情報

記載事項 内容
支援機関名 支援を受けた機関(例:認定経営革新等支援機関)
支援内容 具体的な支援内容(例:事業計画の作成、財務戦略の助言)
報酬額 契約内容に基づく報酬額
契約期間 いつからいつまで支援を受けたか

✅ 4. 「産業雇用安定助成金」の活用

年収350万円以上の正社員(無期雇用)を新規採用する場合、産業雇用安定助成金と併用可能です。

📌 助成金を活用するためのポイント

  • 申請システムでチェックボックスをON
  • 事業計画書に下記を記載
    1. 配置部署・役職名、部下の有無
    2. 業務内容(生産性向上との関連性)
    3. 求める資格・スキル・経験
  • 必ず厚生労働省の審査を通過する必要がある
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