中小企業省力化投資補助金(一般型)の情報公開
2025年1月30日に発表された「中小企業省力化投資補助金(一般型)」は、昨年の「ものづくり補助金」の「オーダーメイド型」と類似した仕組みを持ち、省力化補助金の枠組みで運用されます。本ページでは、その概要や申請要件を詳しく解説します。
前回の内容
前回の概要について、申請要件についてはコチラから。
あらためて申請スケジュール
省力化補助金(一般型)は、令和7年3月中旬に申請受付が開始され、同年3月下旬に申請締切が予定されています。詳細なスケジュールについては、今後公式ホームページで公開される予定です。
現在、公募開始日が未定の段階で公募要領が公開されています。これは 公募期間が非常に短く(3月中旬受付開始・3月下旬締切) 設定されているため、早めに公募の詳細や審査項目を確認し、事前準備を進めておくことが重要です。
補助金の申請方法(電子申請)
本補助金の申請は、電子申請のみ で受け付けています。申請には GビズIDプライムアカウント が必要となるため、早めに準備を進めましょう。
マイナンバーカードがあれば法人・個人事業主ともに即日取得できますが、ない場合は郵送申請になるので2週間程度かかることもあります。
📌 GビズIDとは?
➡ GビズID公式サイト
📌 電子申請システム(jGrants)とは?
➡ jGrants公式サイト
✅ 申請手続きの流れ
① GビズIDプライムアカウントの取得(必須)
- GビズIDプライムアカウントがないと電子申請ができません。
- 取得には 郵送の場合、1~2週間かかる可能性も有るため、早めの申請が必須 です。
② 電子申請の準備
- 電子申請マニュアル を確認しながら、入力漏れ・誤記 がないよう注意。
- 添付資料 の作成・登録が必須。
- 指定の場所にアップロードされていない場合や、ファイル形式の不備があると 審査不可 になります。
③ 事業計画書の作成
- PDF形式(A4サイズ、簡潔に) で作成し、電子申請システムにアップロード。
- 審査基準(5-2書面審査) を確認し、事業計画書の要件を満たすようにする。
④ 専門家の支援を受ける場合
- 認定経営革新等支援機関や専門家のサポートを受けた場合、以下の情報を記載することが必須。
- 支援者の名称
- 報酬額
- 契約期間
❌ これらの記載がない場合、不採択や補助金返還の対象になることもあるため要注意!
📌 補助事業の実施期間
- 交付決定日から18か月以内
- ただし、補助金交付候補者の採択発表日から20か月後の日まで に完了する必要あり
✅ 実施期間内に完了すべき手続き
補助事業実施期間内に、以下の すべて を終える必要があります。
✔ 発注(機械・設備・サービスなどの発注手続き)
✔ 納入(発注したものの受け取り・納品完了)
✔ 検収(納品物が仕様通りか確認・検査)
✔ 支払い(代金の支払いを完了)
✔ 実績報告書の提出(すべての手続き完了後に提出)
事業計画書について
事業計画書に記載する内容と注意点、審査項目と照らし合わせながら見てゆこうと思います。
まずは基本的なルールです。
📌 事業計画書を作成する際のポイント
-
専門的な支援が必要な場合
- 認定経営革新等支援機関に相談可能
- 支援機関検索システムはこちら
-
電子申請の注意点
- マニュアルに従い、入力漏れ・誤記がないように申請
- 添付資料の不備やパスワード設定ミスがあると審査不可
-
事業計画書の作成ルール
- A4サイズ、簡潔に作成(記載の分量は採択に影響しない)
- PDF形式で電子申請システムにアップロード
- 「5-2書面審査」の基準に沿って作成
-
外部支援を受ける場合の注意点
- 支援者の 名称・報酬・契約期間 を必ず記載
- 記載漏れは虚偽申請とみなされ、不採択や補助金返還の可能性
-
掲載NGの情報
- 事業内容に関係のない 個人情報(社長・従業員・顧客の顔写真など) は記載禁止
-
「補助事業の具体的な内容」の記載ポイント
- 詳細に記載することが求められる
その1:「補助事業の具体的取組内容と会社全体の目標数値との整合性」
① 本事業の目的・必要性を示す
補助金を活用して 機械装置やシステムを導入する必要性 を、具体的な事例を交えて説明しましょう。
🔹 記載のポイント
- 自社のこれまでの取り組みと課題
- 補助事業で導入する機械装置等がなぜ必要なのか
- どのような工程の省力化・効率化につながるのか
- 具体的な投資計画(機械の型番・導入時期・スケジュールなど)
- 人手不足の状況や、他社との差別化要素
💡 記載例(製造業の場合)
❌ NG例(抽象的すぎる記述)
当社は製造業を営んでおり、効率化のために新しい機械装置を導入する必要があります。
✅ OK例(具体的な記述)
当社は金属加工業を営んでおり、現在の生産ラインではA工程とB工程を手作業で行っているため、生産性が低く、人件費の負担が大きいという課題があります。
これを解決するため、本補助事業で 「自動溶接ロボット(型番XYZ-100)」 を導入し、B工程を完全自動化することで、1時間あたりの生産量を30%向上 させ、従業員の負担を軽減します。
導入スケジュール
- 2025年4月:発注
- 2025年6月:納品・設置
- 2025年7月:試運転・稼働開始
期待される効果:
- 生産時間の短縮(1工程あたり60分→40分)
- 人員コストの削減(作業員2名→1名)
- 品質向上(溶接ミス率 5% → 1%)
実際は表やもう少し詳細な情報や事業計画を記載する必要があるのですが、たたきだいとしては上記くらいの具体的な内容は欲しいものです。
② 会社全体のシナジー効果
補助事業の効果が、他の事業や会社全体の目標達成にどうつながるのか を明確にします。
🔹 記載のポイント
- 補助事業で導入する設備・システムによって どんな成果が生まれるのか
- 浮いた労働力を他の業務にどう活用するのか
- 会社全体の生産性向上や売上向上につながるか
💡 記載例(サービス業の場合)
❌ NG例(不明確な記述)
自動受付システムを導入することで、業務効率が向上します。
✅ OK例(具体的な記述)
当社はフィットネスジムを運営しており、フロント業務(入会受付・会員管理・決済対応)に1日5時間の人的リソースを割いています。
本補助事業を活用し、「顔認証式の自動受付システム」 を導入することで、フロント業務を無人化 し、従業員の業務負担を軽減します。
具体的な成果と会社全体の影響:
- 受付業務の人件費削減(1日5時間 → 0時間)
- 浮いた人員をパーソナルトレーナー業務に配置し、顧客満足度向上
- 新規顧客の対応強化により、会員数10%増加を目指す
あまり製造業など以外ではピンと来ないのではありますが、一応サービス業ではこんな記述になるのではないかなと思います。
もちろん、より詳細な記述が必要にはなってきます。
では、審査項目との関連性です。
審査項目 | 記載すべき内容 | 関連する審査項目 |
---|---|---|
(1)補助対象事業としての適格性 | 事業の目的・必要性(自社の現状・課題、補助事業の意義) | 「3~5年計画で『労働生産性』年平均成長率4.0%以上の増加等を達成する取組であるかを審査します。」 |
会社全体のシナジー効果(補助事業以外への影響、リソース活用) | 「補助事業が他事業や会社全体の成長にどう貢献するかを示す必要がある。」 | |
(2)技術面 | 具体的な投資計画(投資対象となる機械・システム、導入スケジュール) | 「■省力化指数が高い取組であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。」 |
期待される効果(効率化・省力化の数値的根拠) | 「■省力化指数が高い取組であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。」 | |
(3)計画面 | 導入後の実施計画(社内体制、資金調達計画) | 「スケジュール等が具体的か、企業の収益性・生産性が向上するかを評価します。」 |
スケジュールと遂行可能性 | 「補助事業の成果が優位性や収益性を有し、かつ、省力化による結果に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。」 |
「その2:将来の展望」
① 事業の成果見込み(本事業による付加価値の創出)
本事業を通じて、生産・業務プロセスやサービス提供方法の省力化 を実施することで、企業にとってどのような付加価値が生まれるのかを明確に記載します。
記載例(製造業の場合)
✅ OK例(具体的な記述)
当社は精密機器の製造を行っており、現在、組み立て工程において手作業が多く、生産効率が低下しています。
本事業で 「自動組立ロボット(型番XYZ-200)」 を導入し、省力化を実施することで、次のような成果が見込まれます。✅ 期待される成果:
- 1工程あたりの生産時間短縮(60分→40分)
- 不良率の低下(3.5% → 1.0%)
- 人件費コスト削減(1ライン3名 → 2名)
- 年間売上10%向上(生産能力向上による)
✅ 付加価値の創出:
- 生産スピード向上により、受注増加が期待できる
- 品質向上によるクレーム対応コストの削減
- 従業員の負担軽減により、働きやすい環境の実現
審査項目との関連性は下記のような感じです。
審査項目 | 記載すべき内容 | 関連する審査項目(原文引用) |
---|---|---|
(1)補助対象事業としての適格性 | 本事業による付加価値の創出 | 「3~5年計画で『労働生産性』年平均成長率4.0%以上の増加等を達成する取組であるかを審査します。」 |
(2)技術面 | 省力化による効率化・コスト削減 | 「■付加価値額の年平均成長率が大きい案件であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。」 |
(3)計画面 | スケジュール・遂行可能性 | 「■補助事業の成果が優位性や収益性を有し、かつ、省力化による結果に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。」 |
② 具体的な表や図の活用
成果をより分かりやすくするために、数値データや図表、写真 を活用しましょう。
その3:会社全体の事業計画
これは、数字になります。実際にどう労働生産性があがるのか、根拠を示しながら数字で計画を記載してゆきます。
※労働生産性の定義・求め方
📌 労働生産性の定義
労働生産性は、以下の計算式で定義されます。各値は、報告を行う時点で期末を迎えている直近の事業年度の値を用います。
🔹 付加価値額の計算
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
🔹 労働生産性の計算
労働生産性 = 付加価値額 ÷ 従業員数
🔹 労働生産性の年平均成長率
労働生産性の年平均成長率 =
[{(効果報告時の労働生産性)÷(交付申請時の労働生産性)}^(事業者化状況報告回数)-1 -1]×100%
この計算を用いて、補助金の適用後の生産性向上を測定します。
審査項目について
審査については、書面審査と口頭審査で行われます。口頭審査ですが、どういった基準で「一定規模」となるのか公開されていないので、こちら備えておくのが良いでしょう。
書面審査項目
(1)補助対象事業としての適格性
公募要領に記載の対象事業、対象者、申請要件、補助率等を満たすか。3~5年計画で「労働生産性」年平均成長率4.0%以上の増加等を達成する取組であるかを審査します。
この審査では、「補助金を受けるにふさわしい事業かどうか」を見極めるために、以下の2つのポイントが重要になります。
✅ 1. 事業が補助対象として適格か?
✅ 2. 労働生産性が年平均4.0%以上向上する計画になっているか?
まぁ、ここは前提条件ですね。
(2)技術面
省力化指数や投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド性の4つの観点について評価します。なお、「1-1-1中小企業省力化投資補助事業(一般型)の目的」に沿わない事業は対象外となります。
■省力化指数が高い取組であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
※ 省力化指数= [(設備導入による削減時間)-(設備導入による増加時間)] ÷(設備導入による削減時間)で計算される。本指数に用いる「設備導入による削減時間」には既存業務の削減時間を組み込むことが基本である。加えて、新規出店を行う場合では、新たな業務プロセスで潜在的・将来的に存在する人手の削減時間も組み込むことが可能である。
■投資回収期間が短い取組であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
※ 投資回収期間=「投資額/(削減工数×人件費単価+増加した付加価値額)」で計算される。
■付加価値額の年平均成長率が大きい案件であることが示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
■人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)等の導入等を行う事業計画であることが示されているか。また、汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わることや、省力化に資する汎用設備を組み合わせて複数導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが示されているか。
「技術面」の審査では、省力化の効果や投資の合理性が評価されます。
つまり、導入する設備やシステムが本当に労働力を削減し、付加価値を生み出すのか?を数値で示すことが重要です。
この審査では、4つの観点がチェックされます。
1. 省力化指数が高いか?
「省力化指数」は、導入する設備がどれだけ業務の効率化に貢献するかを示す指標です。
💡 計算式
省力化指数 = (削減時間 – 増加時間) ÷ 削減時間
✅ ポイント
- 既存業務の削減時間が大きいほど評価が高い
- 新規出店などで将来的に削減できる時間も考慮できる
- 導入することで作業時間が増える場合(増加時間)も考慮が必要
2. 投資回収期間が短いか?
「投資回収期間」とは、導入した設備のコストを、どれだけの時間で回収できるかを示す指標です。
💡 計算式
投資回収期間 = 投資額 ÷(削減工数 × 人件費単価 + 付加価値増加額)
✅ ポイント
- 投資額が大きすぎると、回収期間が長くなるので注意
- 削減できる人件費や生産性向上による利益を明確にする
- 補助金を活用することで、投資回収期間を短縮できる可能性もある
3. 付加価値額の成長が大きいか?
付加価値額とは、会社全体の売上や利益にどれだけプラスの影響を与えるかを示す指標です。
💡 計算式
付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
✅ ポイント
- 補助事業による労働削減だけでなく、売上向上にも貢献するか
- 生産性が上がることで、より多くの案件・製品を扱えるようになるか
- 具体的な数値やシミュレーションを示すと説得力が増す
4. 専用設備(オーダーメイド性)または高い省力化効果があるか?
補助対象となる設備は、単なる汎用機ではなく、業務の省力化に貢献するものである必要があります。
✅ ポイント
- 自社の業務に特化した専用設備の導入
- 汎用機でも、省力化を実現する工夫があるか
- 複数の機器を組み合わせて、より高い効果を発揮するか
(3)計画面
スケジュール等が具体的か、企業の収益性・生産性が向上するかを以下の観点から評価します。
■補助事業実施のための社内外の体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
■補助事業の成果が優位性や収益性を有し、かつ、省力化による結果に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
「計画面」の審査では、補助事業を計画通りに実施し、期待される成果を確実に達成できるかが評価されます。
つまり、「実現可能なスケジュールと体制が整っているか?」がポイントです。
1. 補助事業を遂行できる社内外の体制が整っているか?
補助金をもらっても、事業を最後まで遂行できなければ意味がありません。
そのため、企業の人的リソース、管理能力、財務状況などが評価されます。
✅ ポイント
- 実施するための人材が確保されているか?
- 必要な技術者や専門家がいるか?
- 外部の協力企業やコンサルタントのサポートがあるか?
- 事務処理能力は問題ないか?
- 補助金の申請や会計処理を正しく行う体制があるか?
- 最近の財務状況は安定しているか?
- 赤字続きの企業ではないか?
- 過去の補助金で適切に事業を遂行した実績があるか?
- 十分な資金調達が可能か?
- 自己資金や金融機関からの融資で事業を安定的に実施できるか?
2. 事業の成果が収益性・優位性を持ち、計画が妥当か?
補助事業を通じて、どのように事業の収益性・生産性を向上させるのかが明確であることが重要です。
また、スケジュールが実現可能なものかも評価されます。
✅ ポイント
- 事業計画に一貫性があるか?
- 目的(省力化・生産性向上)と、設備投資の内容が一致しているか?
- 具体的なスケジュールが示されているか?
- 設備の発注・納品・設置・稼働までのスケジュールが明確か?
- 計画が現実的か?
- 設備が導入できる時期、運用開始までの準備期間を考慮しているか?
- 事業の成果が「実現可能」な範囲で示されているか?
(4)政策面
地域経済への貢献や、我が国の経済発展のために国の経済政策として支援すべき取組であるかを評価します。
■地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。
※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮します。
地域未来牽引企業(https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiiki_kenin_kigyou/index.html)
地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画
(https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/miraitoushi/jigyou.html)
■異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
■事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。アトツギ甲子園
(https://www.meti.go.jp/press/2023/07/20230720001/20230720001.htmlhttps://www.meti.go.jp/press/2023/07/20230720001/20230720001.html)
■先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得るか。
政策面ですが、これは相変わらず国の政策面に、その事業が合致しているかを見られることになります。
それぞれの項目を関連する政策と照らし合わせてみることにしますね。
審査項目 | 関連する政策 | 公式URL |
---|---|---|
地域の特性を活かした高付加価値の創出と経済的波及効果 | 地域未来牽引企業の選定 | 経済産業省 – 地域未来牽引企業 |
複数事業者の連携による生産性向上 | 地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画 | 経済産業省 – 地域未来投資促進法 |
事業承継を契機とした新しい取り組み | アトツギ甲子園(事業承継支援) | 経済産業省 – アトツギ甲子園 |
先端的な技術や新しいビジネスモデルの活用 | デジタル技術活用・低炭素技術・新ビジネスモデル推進 | 経済産業省 – イノベーション戦略 |
上記の関連する政策を知ることで書き方をある程度まとめることが出来ます。
まず、どのような点が審査で評価されるのかを整理するために、該当する政策や選定基準を確認することが重要です。
例えば、「地域の特性を活かした高付加価値の創出と経済波及効果」は、地域未来牽引企業の選定基準をもとに設定されていると考えられます。したがって、この選定基準の詳細を確認することで、具体的にどのような要素が評価対象となるのかを把握できます。
つまり、審査のポイントを理解するためには、関連する政策や選定基準をチェックし、それらがどのように審査項目に反映されているのかを紐解いていくことが必要です。
例えば、地域未来牽引企業の選定基準では、以下のような観点が考慮されています。
- 域外への販売(地域資源を活かした産業の成長性)
- 地域内仕入れ(地域経済の活性化への貢献)
- 地域特性の活用(地域ならではの強みを活かした事業展開)
- 経営の独自性や成長性(事業の持続可能性や新規性)
- 地域経済への波及効果(地域事業者の売上や雇用の増加)
このような選定基準を踏まえることで、「地域の特性を活かした高付加価値の創出と経済波及効果」がどのように審査されるのかを具体的に理解することができます。
(5)大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性
(大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例のみ。)
■大幅な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
■一時的な賃上げの計画となっておらず、将来に渡り、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。また、人件費だけでなく、設備投資等に適切に充当し、企業の成長が見込めるか。
■将来に渡って企業が成長するため、従業員間の技能指導や外部開催の研修への参加、資格取得促進等、従業員の部門配置に応じた人材育成に取り組んでいるか。また、従業員の能力に応じた人事評価に取り組んでいるか。
■人事配置等の体制面、販売計画等の営業面の強化に取り組んでいるか。
ここでは、大幅賃金引上げの枠で申請する場合の審査項目です。
数値的な根拠を示しながら、継続的な成長と賃上げの関連性を明確に説明することが重要です!
✅ 1. 賃上げの内容と根拠が明確か?
- どの程度の賃上げを実施するのか?
- なぜその金額・割合で賃上げが可能なのか?(数値的な根拠があるか)
- 企業の利益向上との関連性が明確か?
✅ 2. 一時的な賃上げではなく、持続可能か?
- 一時的な施策ではなく、継続的に賃上げを維持できる計画になっているか?
- 利益の増加分を人件費に適切に充当できるか?
- 人件費だけでなく、設備投資などを通じて企業の成長につなげているか?
✅ 3. 従業員のスキル向上を支援しているか?
- 従業員の教育・研修、資格取得支援を行っているか?
- 部門ごとのスキルアップを促進する仕組みがあるか?
- 人事評価制度が適切に運用されているか?(能力に応じた昇給ができるか)
✅ 4. 企業全体の成長戦略と連携しているか?
- 人事配置や組織体制が整っているか?
- 販売戦略や営業計画と連携し、賃上げが実現可能な仕組みになっているか?
加点項目
No. | 加点項目 | 概要説明 | 参考情報 / 外部サイト |
---|---|---|---|
1 | 事業承継・M&A加点 | 過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により、有機的一体としての経営資源(設備・従業員・顧客等)を引き継いだ事業者。 ※法人と個人間での株式譲渡・相続・贈与、または同一法人内の代表者交代が対象。 |
なし |
2 | 災害等加点 | 有効な期間の「事業継続力強化計画」の認定を取得した事業者。 | 事業継続力強化計画 |
3 | 成長加速マッチングサービス加点 | 「成長加速マッチングサービス」に会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者(応募締切日時点)。 | 成長加速マッチングサービス |
4 | 賃上げ加点 | 補助事業完了年度の翌年度以降において、給与支給総額の年平均成長率4.0%以上の増加、および事業場内最低賃金が毎年3月に、事業実施都道府県の最低賃金より+40円以上の水準を満たす計画を有し、誓約書を提出した事業者。 | なし |
5 | えるぼし加点 | 女性の職業生活における活躍推進を目的とした「えるぼし認定」を受けている事業者。 | えるぼし認定 |
6 | くるみん加点 | 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者。 | くるみん認定 |
口頭審査
口頭審査は一定額以上の申請の場合、オンラインで実施されるようです。基準については公表されていないので、こちら下記に公募要領をまとめて簡単な注意点を含めてまとめました。
📌 口頭審査の概要と注意点
補助申請額が一定規模以上の事業者を対象に、オンライン(Zoom等)で口頭審査が実施されます。審査では、事業の適格性・革新性・優位性・実現可能性が評価されます。
✅ 1. 口頭審査のポイント
- 申請した事業計画の内容を詳細に説明できるよう準備する
- 審査委員からの追加質問にも対応できるよう、マーケティング調査や意思決定の背景を整理
- 計画書に記載のない内容についても質問される可能性があるため、柔軟な対応を心掛ける
✅ 2. 口頭審査の実施方法
- Zoom等のオンライン会議ツールを使用
- 所要時間は約15分(会議開始5分前に入室)
- 審査委員はカメラをオフにして審査
- 審査中の音声は録音される(審査目的以外では使用されない)
✅ 3. 事前準備
- 安定したインターネット接続のPC(接続不良の場合、再審査は不可)
- PC内蔵 or 外付けのWebカメラ・マイク・スピーカー(イヤフォン・ヘッドセット不可)
- 本人確認のための顔写真付き身分証明書(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
- 他者が映り込まない静かな環境(公共スペース不可)
⚠ 4. 注意事項
- 審査対応者は申請事業者本人のみ(コンサルタント・顧問の同席不可)
- 審査開始時に本人確認を実施
- 指定時間になっても審査が開始できない場合、不採択扱いとなる
- 口頭審査中の申請者からの質問は不可
- 申請者本人以外が対応した場合、不採択や補助金返還の対象となる
🎯 5. 成功のためのポイント
- 事業計画を明確に説明できるよう準備する
- 質疑応答の練習を行い、予想質問に備える
- ネット環境・機材を事前にテストし、当日に備える
口頭審査は、意外と重視されるポイントです。