事業承継・引継ぎ補助金の実績報告に向けた手続きと証憑の準備
1. はじめに
補助事業が完了した後、補助事業者は実績報告を行い、事務局に関連する証憑を提出する必要があります。この記事では、支払い方法に応じた証憑の準備、提出時の注意点、また事業承継や経営革新に関わる特定のケースについて詳しく説明します。
2. 補助事業の完了時の手続き
補助事業が完了(または補助事業期間が終了)した場合、補助事業者は実績報告書を含む必要な書類をjGrantsから提出します。
その後、事務局による確定検査が行われ、最終的な補助金額が決定されます。補助金額の確定後、補助事業者は請求手続きを行い、補助金を受け取ります。
項目 | 内容・期限 |
---|---|
実績報告の提出期限 | – 補助事業が完了した日から30日以内 – または交付決定通知書記載の完了期限日より10日以内 |
提出する書類 | – 実績報告書(様式第5) – 事業実施概要報告書(様式第5-1) – 補助対象経費総括表(様式第5-2) – 経費区分別内訳表(様式第5-3) |
提出方法 | jGrantsを通じてオンラインで提出 |
提出期限に遅れた場合 | 交付決定の取り消しとなる可能性あり |
3. 実績報告に必要な証憑の種類
3-1. 支払い方法別の証憑準備
支払い方法 | 証憑の種類 | 内容・提出書類 |
---|---|---|
銀行振込 | 振込先の確認証憑 | 支払先名、口座番号、支払日、金額。 例:銀行振込受領書、銀行利用明細書、振込確認画面印刷 |
振込元の確認証憑 | 補助事業者名義の口座情報、支払日、引き落とし日。 例:通帳コピー、インターネットバンキング画面 |
|
クレジットカード | 領収証 | クレジットカード1回払いが明記されたもの、金額内訳。 例:領収証、お客様売上票、見積書など |
カード利用明細書 | カード会社発行の明細書(オンライン明細書も可) | |
支払元の確認証憑 | クレジットカード口座の通帳やインターネットバンキング画面の印刷資料 | |
電子契約 | 電子契約書 | 電子文書(PDFなど) |
電子署名 | 電子署名やメール認証による署名 | |
プロパティデータ | 署名者、署名日が確認できるプロパティやメタデータ |
3-2. 事業承継や経営革新に関する証憑準備
証憑は、補助事業の進行に合わせて都度収集・保管し、実績報告時にまとめて提出します。特に事業承継や経営革新に関連する証憑は、事業の進行や契約に応じて整理しておくことが重要です。
ステップ | 説明 |
---|---|
Step 1: 補助事業の実施 | 発注や契約に応じて、証憑を収集・保管する |
Step 2: 実績報告の準備 | 必要な証憑を整理し、提出準備を進める |
Step 3: 実績報告の提出 | 実績報告書と関連書類をjGrantsから提出 |
4. 主な補助対象経費の分類と注意点
4-1. 店舗等借入費
- 提出書類例: 賃貸借契約書、図面、写真資料、請求書
- 賃貸物件の図面や写真資料を用意し、補助対象となる部分の明確な区分を示す必要があります。
4-2. 見積書・契約書の提出
- 提出書類例: 見積依頼書、相見積書、本見積書、発注書、契約書
- 50万円以上の取引には、原則として2者以上からの相見積が必要です。契約書や発注書も、補助事業期間内での取引であることを証明する書類を提出してください。
4-3. 設備費に関する注意点
- 対象経費: 新築工事や機械装置の購入などが対象。
- 対象外経費: 不動産の購入費、消耗品、汎用性の高い機器(パソコン、スマートフォン等)
- 補助対象として計上できるのは、1品目あたり税抜20万円以上の設備に限られます。
5. 証憑書類のまとめ方と提出方法
5-1. 証憑提出時の注意点
- 証憑の提出時には、発注日、契約日、納品日が補助事業期間内であることを確認してください。
- 提出書類には、発行日、金額、発注者・発注先、支払い条件などが正確に記載されている必要があります。
- 電子契約の場合は、契約書に加え、電子契約証憑も提出する必要があります。
詳細な手続きや証憑書類のまとめ方については、**こちら**をご確認ください。
6. まとめ
補助事業完了後の実績報告には、必要な書類や証憑を正確に準備し、期限内に提出することが重要です。補助対象経費や証憑書類の管理に関しては、常に公募要領や関連手引書を確認し、不備がないように進めていきましょう。提出書類に関する詳細は、リンク先の手引書を参考にしつつ、適切な証憑を揃えてください。