「100億企業」創出を支援する経営規模拡大設備(B類型の拡充)とは?
1. 経営規模拡大設備(B類型の拡充)の概要
「経営規模拡大設備」とは、売上高100億円超を目指す中小企業の成長を支援する税制優遇措置です。
これまでのB類型(収益力強化設備)を拡充し、より大規模な設備投資を後押しするために新設されました。
2. 適用要件
本制度を活用するには、以下の条件を満たす必要があります。
項目 | 要件 |
---|---|
投資利益率 | 年平均7%以上 |
売上成長目標 | 年平均10%以上の成長を目指す |
売上規模 | 前年度売上高が10億円超90億円未満 |
最低投資額 | 1億円以上、または前年度売上高の5%以上 |
賃上げ率 | 2.5%以上 または 5.0%以上 |
投資計画 | 売上高100億円超を目指すロードマップの作成 |
また、本制度の認定を受けた企業は、投資計画の期間中、「中小企業投資促進税制」および「少額減価償却資産の特例」の適用が不可となるため、計画的な活用が求められます。
3. 対象となる設備
本制度の適用を受けるためには、収益向上に貢献する設備投資であることが求められます。
対象となる設備は以下の通りです。
- 機械装置(160万円以上)
- 工具(30万円以上)
- 器具備品(30万円以上)
- ソフトウェア(70万円以上)
- 建物およびその附属設備(1,000万円以上)
- ※生産性向上に資する設備の導入に伴い、新増設されるものに限る
- 設備投資総額の上限:60億円まで
4. 100億企業創出の意義と政策の狙い
この税制措置は、売上高100億円を超える「100億企業」の創出を促進することを目的としています。
🔹 100億企業とは?
- 外需・内需の両方を取り込み、高い収益力と生産性向上(イノベーション)を実現する企業。
- 賃上げを通じて、地域経済の好循環を先導する存在。
- 人口減少社会においても、持続的な成長を遂げることが可能。
🔹 なぜ100億企業の育成が重要なのか?
- 現在、日本には売上100億円を超える中堅企業が約4,500社程度しか存在しないと推計される。
- 成長意欲のある中小企業が「100億企業」へとシームレスに成長できる環境を整備することが、経済成長の鍵となる。
- 政策による強力な後押しがなければ、スケールアップの機会を十分に活かせない中小企業が多い。
このため、設備投資支援を通じて、中堅企業へと成長する中小企業の数を増やし、持続可能な経済成長を実現することが政策の狙いです。
5. 企業が取るべきアクション
経営規模拡大設備(B類型の拡充)を活用することで、中小企業が大規模成長に向けた設備投資を行いやすくなるため、以下のポイントを意識した戦略が重要です。
✅ 成長ロードマップの策定
- 100億円企業を目指す戦略を明確化し、投資計画を具体化
- 設備導入による売上成長や利益向上のシミュレーションを行う
✅ 計画的な設備投資の実施
- 最低1億円以上の設備投資が求められるため、長期的な資金計画が必要
- 投資対象を「収益向上」「生産性向上」に直結するものにする
✅ 賃上げを含めた成長戦略の構築
- 2.5%以上、または5.0%以上の賃上げが条件となるため、人材戦略も重要
- 労働生産性を向上させることで、持続可能な賃上げを実現する
6. まとめ
- 経営規模拡大設備(B類型の拡充)は、売上高100億円を目指す中小企業向けの設備投資支援策
- 投資利益率7%以上、売上高成長率年平均10%以上、最低1億円の投資などが要件
- 対象設備は、機械装置・ソフトウェア・建物など(総額60億円まで)
- 100億企業の創出を促進し、地域経済の好循環を生み出すことが狙い
- 企業は成長戦略を明確にし、計画的に設備投資を行うことが重要