「ものづくり補助金」の申請準備は今から!令和6年度補正予算を活用するためのポイントとは?

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令和6年度補正予算が閣議決定されました。補正予算が11~12月の臨時国会で成立すれば、その後、中小企業生産性革命推進事業や大規模成長投資補助金などの具体的な情報がリリースされる見込みです。

早ければ令和7年2月にも、補正予算枠での「ものづくり補助金」の公募が開始される可能性があります。申請を検討されている方は、早めに準備を進めることを強くお勧めします。

また、補正予算枠での実施は予算規模から考えて2回程度に限られると予想されます。そのため、申請のチャンスが限られており、一度の申請で確実に採択を目指すことが重要です。

今回は、「ものづくり補助金」に焦点を当て、申請準備のポイントについて、特に大きな加点要素になると考えられる「経営革新計画の承認」についてまとめていきます。

令和6年度補正予算と経営革新計画の関係

補正予算での関連施策

令和6年度補正予算では、中小企業支援に総額約5,114億円が計上されており、その中核には経営革新計画と親和性の高い施策が含まれています。

具体的には、これまで(令和5年度補正予算で実施された分)、「ものづくり補助金」や「事業承継・M&A補助金」において、経営革新計画の承認が補助金の加点項目として評価されてきました。

主な関連施策

  • ものづくり補助金: 生産性向上に資する設備投資、省力化、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を推進し賃上げを実現する賃上げの実現に向けた成長戦略を後押し。
  • 事業承継・M&A補助金: 事業承継や事業、または会社の売買を対象とし、専門家支援や経営革新の実現を目指した支援を実施。

経営革新計画の承認は、これら補助金の審査において有利に働く可能性が高いため、申請準備の一環として計画の策定を進めることが推奨されます。

ものづくり補助金を申請するなら「経営革新計画」の承認を予め得ておくことをお勧めします。

ものづくり補助金の申請を採択、そして事業を成功させるには、事前準備が極めて重要です。その中でも特に注目すべきなのが、「経営革新計画」の承認を取得しておくことです。

本記事では、「経営革新計画」とは何か、その承認を取得することで得られるメリット、そしてものづくり補助金申請にどう影響するのかについて解説します。

経営革新計画とは?

経営革新計画は、企業が事業の改善や新しい取り組みを行う際に、その具体的な目標と計画を策定し、都道府県知事などの承認を得る制度です。この計画は、中小企業が経営基盤を強化し、持続的な成長を図るためのものです。

計画の対象となるテーマとしては、以下のようなものがあります。

① 新商品の開発又は生産

② 新役務の開発又は提供

③ 商品の新たな生産又は販売の方式の導入

④ 役務の新たな提供の方式の導入

⑤ 技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動

承認を得るためには、具体的な目標や計画の実現性を明確にし、経営革新による売上や利益の向上を示す必要があります。

経営革新計画の承認を得るメリット

経営革新計画の承認を受けることでの具体的なメリットを解説します。


1. 保証・融資の優遇措置

経営革新計画の承認を受けることで、次のような保証・融資制度が利用可能になります。

(1)信用保証の特例

  • 普通保証等の別枠設定
    通常の限度額に加え、別枠で最大2億円(組合は4億円)まで保証されます。
  • 新事業開拓保証の限度額引き上げ
    研究開発費用など、新事業に必要な資金に対する保証の限度額が拡大されます。

(2)日本政策金融公庫の特別利率による融資制度

  • 設備資金や運転資金の融資において、特別利率が適用され、低利での借入が可能です。

(3)高度化融資制度

  • 商店街のアーケード設置や工場団地建設など、共同事業に対して無利子で融資が受けられます。
    経営革新計画に基づく事業に取り組む組合が対象です。

(4)食品等流通合理化促進機構による債務保証制度

  • 食品製造業者等は、設備資金や試作費、研究費用などに対し、食品等流通合理化促進機構の債務保証を受けられます。

2. 海外展開支援

経営革新計画を通じて海外展開を行う場合、以下の支援措置を活用できます。

  • スタンドバイ・クレジット制度:海外事業の信用を補完する制度。
  • クロスボーダーローン制度:日本と海外の銀行が連携して融資を提供。
  • 日本貿易保険(NEXI)による支援:海外取引のリスクを軽減。

3. 投資を受けやすくなる

以下の投資支援を利用する道が開かれます。

  • 起業支援ファンドからの投資
  • 中小企業投資育成株式会社からの投資

これにより、資本調達が円滑になります。


4. 販路開拓の支援

  • 販路開拓コーディネート事業
    専門家のサポートを受けながら、新たな市場開拓を進めることができます。
  • 新価値創造展
    展示会への参加などを通じて、新規顧客や販路の拡大が期待できます。

5. 補助金申請時の加点

経営革新計画の承認は、ものづくり補助金と事業承継・引継ぎ補助金(R6現在)の補助金申請時に審査での加点対象となります。このため、採択される確率が大幅に高まります。


 

 

6. 地域ごとの補助金の利用可能性

一部の都道府県では、経営革新計画承認企業に対し、独自の補助金制度を提供しています。詳細は各都道府県にて。

経営革新計画承認申請について

経営革新計画の承認は「都道府県知事」が行います。ですので、提出先は「都道府県」の担当部署になりますが、都道府県によっては窓口が別で設定されています。(商工会、商工会議所、中央会など)まずは、申請方法について各都道府県のホームぺージなどを確認しておきましょう。

例:東京都の経営革新計画 相談・申請書提出先窓口一覧

窓口名 住所 アクセス 電話番号 受付時間 備考
公益財団法人 東京都中小企業振興公社 総合支援部 総合支援課 東京都千代田区神田佐久間町1-9 (東京都産業労働局秋葉原庁舎5階) JR「秋葉原駅」から徒歩1分 03-3251-7882 9:00~17:00
東京商工会議所 中小企業相談センター 東京都千代田区丸の内3-2-2 (丸の内二重橋ビル5階) JR「有楽町駅」から徒歩5分
「東京駅」から徒歩10分
03-3283-7700 9:30~17:00
東京都商工会連合会 経営革新室 東京都昭島市東町3-6-1 (産業サポートスクエア・TAMA内) JR「西立川駅」から徒歩7分 042-500-3886 9:30~17:00
東京都 産業労働局 商工部 経営支援課 東京都新宿区西新宿2-8-1 (都庁第一本庁舎20階北側) JR「新宿駅」から徒歩10分 03-5320-4784
03-5320-4791
03-5320-4795
9:00~17:00 申請書提出時の注意点
– 既存事業と新規事業の詳細を説明可能な役員が対応。
– 修正の可能性あり。お近くの窓口をご利用ください。
– 初回面談は1~2時間程度(窓口・オンライン)。

その他経営革新計画 相談・申請窓口一覧(※随時追記予定)

都道府県 主な窓口 備考
静岡県 公益財団法人 静岡県産業振興財団 商工会・商工会議所、静岡県中小企業団体中央会(静岡・東部・西部事務所)でも相談可
神奈川県 神奈川県中小企業団体中央会 商工会・商工会議所、公益財団法人 神奈川産業振興センター(よろず支援拠点含む)などでも相談可
千葉県 公益財団法人 千葉県産業振興センター 商工会・商工会議所、千葉県商工会連合会、千葉県中小企業団体中央会、千葉県よろず支援拠点でも相談可
大阪府 大阪府 商工労働部 中小企業支援室 経営支援課 経営革新グループ 申請書案(ドラフト)をメールで提出可能。
兵庫県 公益財団法人 ひょうご産業活性化センター 本社所在地を所管する県民局等で申請。商工会・商工会議所でも相談可

電子申請での申請が始まっている都道府県もある。

愛知県、香川県、埼玉県、茨城県、群馬県、島根県では、すでに経営革新計画の電子申請システムが利用可能となっています。

電子申請の導入は、今後さらに他の地域にも広がっていくと考えられますが、申請の承認を受けるためには事前相談が不可欠です。
電子申請をスムーズに進めるためにも、事前に各自治体の窓口に相談し、必要な情報を整理しておくことが重要です。

経営革新計画承認までのスケジュール

上記の通り、各都道府県によって窓口が異なり、それぞれの機関により承認スケジュールも違います。

下記は東京都の場合を例とした一般的な流れです。

経営革新計画の承認までの手順と期間(東京都)

手順 内容 期間の目安
① 申請対象・要件の確認 制度概要や申請対象、要件を確認。 随時
② 申請書作成・書類準備 必要書類を準備し、申請書を作成。『記入例』や手引きを参考に進める。 1~2週間程度
③ 提出予約と申請書提出 電話で提出予約後、書類を提出(修正後の再提出含む)。 月末までに提出が必要
④ 面談(必要な場合) 面談が必要な場合、1~2時間程度の対面またはオンライン面談を実施。 提出後、1週間~数週間以内
⑤ 修正と再提出 指摘箇所の修正・追記を行い、再度提出。 修正完了後、月末までに再提出が必要
⑥ 書類審査 提出書類の内容を審査。 提出翌月の審査会で審査
⑦ 結果通知 承認・不承認が書面で通知。修正が必要な場合、翌月の再審査対象となる。 審査会翌々月初旬までに通知

注意事項

  • 提出期限: 月末までに完成した申請書が翌月の審査対象となります。遅れると翌々月以降の審査となります。
  • 審査期間: 申請から承認まで通常2~3か月程度かかります。

スケジュールに余裕を持ち、早めの準備を進めてください。

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