採択発表が終わり、採択された事業者の皆様は一安心されたのではないでしょうか。
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しかし、補助金のプロセスは採択をもって完了ではありません。実際に補助事業がスタートするためには、「交付申請」を行い、交付決定が正式に下りる必要があります。そのため、現段階では交付決定があるまで発注や事業への着手はできません(事前着手届出が受理されている場合を除きます)。
交付申請は一度で終わるものではなく、多くの書類提出や事務局との確認作業が必要です。このプロセスには細かな対応が求められる上、準備から交付決定まで意外と長い時間がかかる場合もあります。したがって、できるだけ早く準備を進めることが重要です。
詳しい流れを見ていきましょう!
1.「補助金交付候補者向けオンライン説明会」に参加する
まずは、「補助金交付候補者向けオンライン説明会」に参加することが必要です。
補助金交付候補者として採択された事業者は、事務局が開催するこの説明会への参加が義務付けられています。
説明会終了後には、「事業者情報登録フォーム」を通じて事業者情報の登録を行う必要があります。この登録は説明会当日の17:00までに完了させなければなりません。
【事前にご準備いただくもの】
「事業者情報登録フォーム」に事業者情報を登録する際、以下の項目をご準備ください。
- 事業者名(応募申請時に届出た商号または名称)
- 法人番号または個人事業主管理番号(※インボイス登録番号ではありません)
- 申請時の受付番号
(公募申請完了時に事務局から案内された「R」で始まる11桁の番号) - メモ用紙など
(説明会で試問がある場合、回答番号を控えておくためのもの)
※注意: 説明会に参加しない場合は、最終開催日をもって自動的に採択が無効となるため、ご注意ください。
詳細については、第12回公募「補助金交付候補者向けオンライン説明会」および交付申請についての案内をご確認ください。
2. 提出に必要なファイルをダウンロードしておきましょう
まず、電子申請システムにログインし、「経費明細表」をダウンロードしましょう。
また、申請に必要な書類の様式が改訂されている場合もあるため、必ず最新のものを確認してダウンロードしてください。
3. 見積書などの提出書類を収集します
必要な書類:
- 見積依頼書(補助事業者が作成)
- 見積書(業者へ依頼)
経費項目によっては、見積書に加えて追加書類が必要な場合があります。事務局の手引きを確認し、必要に応じて取得してください。
※注意: 2024年11月13日付で、事業再構築補助金の公式HPに「システム構築費を計上する際の注意点」が掲載されています。システム構築費が100万円(税抜)以上の場合、内容に応じて「要件定義書」の提出が必須とされているためご注意ください。
【見積書の注意点】
- 契約(発注)先1社あたりの見積額が50万円(税抜)以上になる場合、すべての費目において同一仕様の見積書を3社以上から取得する必要があります。この際、見積書と相見積書は同条件で取得してください。
- 見積書には税抜き・税込みの両方の合計金額が記載されている必要があります。
見積書や相見積書はPDF形式で保存し、ファイル名は以下のように統一してください:
例)
- 見積書_機械・システム費_本見積
- 見積書_機械・システム費_相見積1
- 見積書_機械・システム費_相見積2
さらに詳しい情報は、「交付申請 | 採択された方 | 事業再構築補助金」の「交付申請(Jグランツ事業者マニュアル)」をご確認ください。
4. 添付書類の作成
交付申請には、以下の書類が全ての申請者に必要です。
- 経費明細表(Excelファイル)
- 見積依頼書および見積書
- 取得財産に係る誓約書(<参考様式21>)
① 経費明細表の作成
見積書を参照しながら、経費明細表の「費目別明細書」に必要事項を入力し、Excelファイルを完成させます。
※注意点 見積書ごとに一行で記載するのか複数行にわけるのか異なりますので、わからない場合は事務局の指示に従ってください。
② 取得財産に係る誓約書の作成
「取得財産に係る誓約書」を作成後、PDF形式で保存します。
③ 補助事業内容に応じた追加書類の準備
補助事業の内容によって必要な追加書類がある場合も、それらをPDF形式にまとめてください。
【ファイルの整理と提出準備】
- 経費明細表(Excelファイル)以外の書類を一つのフォルダにまとめ、Zipファイルに圧縮します。
- Zipファイル名は、交付申請時の**「受付番号」**(Rで始まる11桁の番号)にしてください。
- 注意: Zipファイルのサイズが16MBを超える場合は、ファイルを分割して保存します。
以上で、添付するファイルの準備が完了です。
5. 交付申請をしよう
Jグランツにログインし、作成したファイルを添付して交付申請を行います。
交付申請完了後の流れ
申請が完了すると、審査結果を待つことになります。しかし、現状では一度で交付決定が下りるケースは少ないようです。
差戻し対応について
事務局から差戻しの連絡があった場合は、指摘された内容を修正し、再度交付申請を行ってください。
注意点
交付決定が下りるまでは、補助事業を開始することはできません。そのため、差戻し対応は速やかに行いましょう。
まとめ
事業再構築補助金の交付申請手続きは、採択後に取り組むべき最初の工程です。一度で完了することが難しい場合も多く、事務局からの指摘や差戻しにより、対応が長期化することも少なくありません。また、見積書の取り直しや書類の再提出など、細かく煩雑な作業が求められる場合もあります。丁寧かつ迅速な対応が求められます。以下の流れを押さえ、手続きの準備を進めましょう。
交付申請の主な流れ
手順 | 主な内容 | 注意点 |
---|---|---|
1. 説明会への参加 | オンライン説明会に参加し、事業者情報を登録する | 未参加の場合、採択が無効になります。 |
2. 必要ファイルの準備 | 経費明細表や見積書など、最新様式で必要書類をダウンロード | 必ず最新の書類様式を使用してください。 |
3. 見積書の収集 | 必要に応じて3社以上から見積書を取得し、PDFで保存 | 金額や仕様が正確で、同条件であることを確認してください。 |
4. 添付書類の作成 | 作成した書類をPDFやZipファイルにまとめ、申請に備える | Zipファイル名は「受付番号」にし、16MB以下に抑えます。 |
5. 交付申請の提出 | Jグランツから作成した書類を添付して申請 | 差戻しがあった場合、速やかに修正して再申請してください。 |
重要ポイント
- 交付決定が下りるまでは補助事業を開始できません。
事務局からの連絡を見逃さないように注意しましょう。 - 準備のスピードが成功の鍵です。
書類の収集や作成を早めに進めることで、差戻し対応も余裕をもって行えます。 - 最新情報の確認を忘れずに。
公募要領やマニュアルが更新される可能性があるため、公式サイトを随時チェックしましょう。
事業再構築補助金 交付申請に関するQ&A
Q1. 採択されましたが、すぐに事業を開始できますか?
A. いいえ、交付決定が下りるまでは事業を開始できません。
Q2. 交付申請の際、どのような書類を準備すればいいですか?
A. 以下の書類が必要です。
- 経費明細表(Excel形式)
- 見積書および見積依頼書
- 取得財産に係る誓約書(参考様式21)
- 補助事業の内容に応じた追加書類(例:要件定義書など)
詳しくは公式の交付申請マニュアルをご確認ください。
Q3. 見積書は1社分だけで大丈夫ですか?
A. 金額が50万円(税抜)以上の場合、すべての費目について同一仕様で3社以上の見積書を取得する必要があります。また、税抜き・税込みの金額が明記されていることを確認してください。
Q4. 交付申請が差戻しとなる主な原因は何ですか?
A. 差戻しとなる主な原因には以下が挙げられます:
- 書類に不備がある(例:書式が最新でない、記載漏れがあるなど)
- 見積書の仕様や金額が条件を満たしていない
- 必須書類が揃っていない
指摘された内容を速やかに修正して再申請してください。
Q5. Zipファイルの提出時、何に気を付ければよいですか?
A. 以下の点を確認してください:
- ファイル名は「受付番号」(Rで始まる11桁)にする。
- ファイルサイズが16MBを超えないようにする(超える場合は分割)。
- 必要書類が全て揃っていることを再チェック。
Q6. 交付決定までどれくらい時間がかかりますか?
A. 具体的な期間は申請内容や事務局の対応状況によりますが、早くても1か月~2か月、場合によっては半年以上かかることがあります。迅速な対応を心掛けましょう。