「赤信号、みんなで渡れば怖くない」。この心理がまさに補助金の不正請求の温床です。「みんなやっているから、自分だけが責められるわけじゃない」。でも、こうした言い訳の裏には、他人任せの「安心感」があるだけです。事実、渡り始めたその瞬間は心地良いかもしれませんが、いつか必ず響いてきます。信号を無視する一歩は、やがて罰金やペナルティ、最悪の場合、社会的信用の失墜につながる道です。自ら信号を守る慎重な姿勢が、私たちの歩むべき道なのです。
IT導入補助金事務局の声明
10月31日、IT導入補助金事務局(TOPPAN)は下記のような「重要なお知らせ」を更新しました。
https://it-shien.smrj.go.jp/news/20260
そのまま全文を引用するわけにもいかないので上記リンクを見ていただければとも思いますが、要約しますと
- 不正行為の定義と処分
IT導入補助金に関する不正行為(他の補助金との二重受給、実質負担の免除、不適切な取引、不正な代理申請等)はすべて違法とされ、発覚時には補助金の返還、交付取消、IT導入支援事業者の登録取消等の措置が取られます。 - 立入調査
事務局は現地確認を含む立入調査を実施し、不正が確認された場合や調査に応じない場合は厳重な措置を講じるとしています。状況によっては、事業者名の公表や警察への通報も行われる可能性があります。 - 返還と情報提供
不正関与が後から発覚した場合には補助金返還の手続きを受け付けており、また不正情報の提供も事務局にて受付中です。情報は適正に管理され、第三者提供は行われません。
そして通報フォームも用意されまして、このガチギレっぷりがわかると思います。
以前の新聞報道
不正を行った人の末路
一時的な「美味しい話」に飛びつき、得意げに不正を成し遂げた者たち。最初は「うまくやった」と思うでしょう。しかし、その「賢さ」が称えられる日は永遠に訪れません。むしろ、事務局の念入りな調査により、その「成功」は静かに崩れ去っていくのです。
まず、事務局がじっくり調査を開始します。少しだけ得をしたつもりが、いつの間にかその全額が「返還請求」という形で返ってくるのです。しかも、しっかりと「業界追放」というおまけ付きで、補助事業者としての資格も抹消され、取引先や顧客からの信用も一斉に消失するという一石三鳥の成果が得られます。
そして不正行為が社会に知れ渡れば、「名前の公表」という名誉ある措置まで準備されています。晴れて「不正者」としての名声を手に入れ、業界中から敬遠される存在となるでしょう。もしも警察沙汰になれば、さらに広い「評価アップのチャンス」も訪れます。
手にするのは一瞬の利益、失うのは未来すべて。このリターンが割に合わないことに気づいたときにはすでに遅く、残るのは冷ややかな自己責任だけ。誰にも必要とされず、信頼も失った孤独な末路を、「うまくやった」自分を褒めながら歩むことになるのです。