工業会の証明書について(A類型)

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工業会の証明書とは(2025年4月改正対応)

工業会の証明書とは、中小企業等が生産性向上を目的とした設備を導入する際、経営力向上計画(A類型)に基づく税制優遇措置を受けるために必要な書類です。証明書は、以下の要件を満たすことを確認するために発行されます。

  • 販売開始時期の要件:設備が定められた期間内に販売されていること。
  • 生産性向上指標の要件:旧モデル比で、生産性が年平均1%以上向上していること。

※2025年4月の制度改正により、「生産性」の評価指標が見直されました。
旧来の「生産効率」「エネルギー効率」等に加え、以下のいずれかの指標による比較が可能になっています:

  • 単位時間あたり生産量(処理能力など)
  • 歩留まり率(良品率など)
  • 投入コスト削減率(作業時間や原材料量の削減など)

これらのうちいずれかが旧モデルと比較して年平均1%以上向上していれば、「生産性向上」の要件を満たすとされます。

工業会証明書取得までのフロー

工業会の証明書の申請は、原則として設備メーカーや販売の総代理店(メーカーが海外企業の場合)が行います。ユーザーが直接申請することはできません。

  1. 設備ユーザーが、設備メーカーに証明書の発行を依頼
  2. 設備メーカーが、証明書(様式1)およびチェックシート(様式2)を記入し、旧モデルとの比較資料など必要書類を添付して工業会に申請
  3. 工業会が書類を確認し、要件を満たすと判断された場合に証明書を発行
  4. 設備メーカーから、ユーザーに証明書が送付される

※2025年4月以降、工業会証明書の取得は「経営力向上計画の申請前に必ず完了している必要」があります。
それ以前に存在した「先に計画申請、あとで証明書」の柔軟運用は廃止されました。必ず証明書取得→計画申請の順で進めてください。

新様式について(2025年4月~)

  • 「生産性向上」の具体的評価指標が明文化され、様式2(チェックシート)にて立証資料の提出が必要になりました。
  • 「設備所在地の変更」欄が新設され、計画認定時の申請内容と実際の設置場所が異なる場合の記録が求められるようになりました。
  • ソフトウェアの申請に関して、専用の選択欄が追加され、区分管理が強化されています。

対象設備と主な要件(参考)

設備の種類 最低価額 販売開始時期 用途・除外条件
機械装置 160万円以上 10年以内 発電用途で販売電力が過半を占めるものは除外(※1)
測定工具・検査工具 30万円以上 5年以内 医療保健業用は除外(※2)
器具備品 30万円以上 6年以内 同上
建物附属設備 60万円以上 14年以内 発電・医療保健業用は除外(※3)
ソフトウエア(情報収集機能) 70万円以上 5年以内 複写用、研究用、一部のサーバー用OSは除外(※5)

注意事項

  • 発電設備:販売電気が2分の1以上を占める場合、対象外となることがあります。
  • 医療機器・医療保健業:医療保健業の用途に供する設備も除外されます。
  • 特定事業:コインランドリー業や暗号資産マイニング用の一部設備も対象外です。
  • ソフトウェア:開発研究用、複写販売用、一部のOSは適用外とされます。

※個別の可否判断については、税理士等にご相談ください。

リンク・資料集

経営力向上計画に関する記事はコチラ

 

最後に:申請前のチェックがより重要に

2025年4月改正により、工業会証明書の取得プロセスはより厳格に、より技術的根拠が求められる方向へとシフトしています。

設備メーカー・販売代理店の皆さまにおかれましては、

  • 技術的な裏付け資料の早期準備
  • 計画申請スケジュールとの整合
  • 適用対象か否かの事前チェック

が一層重要になります。証明書が出ても税制措置が適用できなければ意味がありません。
不安な場合は、必ず事前に専門家と連携しながら進めましょう。

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